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3-1 (R.18)
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「ちょ、何脱がしてっ!?」
「脱がさないとやりずれーだろ」
スズヤの口元が「何が」と動きかけた時、彼の中指が内側に入ってくる感覚がする。本来、逆に使うであろうその行為は非常に気持ち悪いものであった。
「っ、どこに指入れて……」
リクトの長い指が何か探すかのように指を曲げれば、冷んやりとする薬が中で粘っこい音をいやらしく奏で、役目を間違えてる異物に「ひ、ぅっ」と苦しそうな呻き声が鳴る。
「やめっ、じょうだん、きつい」
「冗談で弟を食ったりはしねーだろ」
逆流する気持ち悪さに、力場み必死に押し返そうと試みるが、無意味な行動。無理やりこじ開けるかのように兄の長い指が入りきった所で、妙な感覚が走り、快楽の声に飲まれた。
「半分も血が流れてたら、充分なんだよ」
「あっ、ぁゆびぬい、て」
「一度しか言わねーぞ、スズヤ」
聞く素振りすらしない兄に対して内心「この野郎」とは思っていたが、行動に移せるほど余裕が無い。
リクトが指を曲げてみせれば強い感覚がスズヤの全身に走る。例えるのであれば先ほどの快楽には強弱があり、現在走る快楽は常に強を持続している。
快楽自体が初体験の彼には高度な感覚。足を閉じ、妨害をはかろうとするが、足を閉じさせる前にリクトが足の間に体を入れ込んでくる。
「お前のまわりがどれだけ敵だらけだったとしても、ババアから見放されても、俺だけはお前を兄弟として……」
一瞬言葉を詰まらせたリクトは、一瞬今まで見たこと無いほど苦しそうな表情でスズヤを見つめる。
何故そんな表情を作ったのか、感情が完熟していない今のスズヤでは到底理解出来ない。
状況だけ見てみれば、生きる意味すら失うほど痛みが走る記憶の一部をさらけ出し、兄相手に声を出してよがるスズヤの方がよっぽど苦しいはずなのだが、彼の瞳にはリクトの方が苦しみに悶えてるように見えてしまう。
そんなリクトは唇を噛み締めながら、そっと耳元に顔を近づける。先ほどの続きを、リクトの感情を殺す一言を、スズヤの感情を大きく変化させる一言を、彼は小さく唇を動かした。
「兄弟として、家族としてお前を一番に愛してやるよ」
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