アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
月明かりの下、散らす
-
「あ、…あの、さ、ちょっ、んっ、」
ちょっと待ってと言おうとして、常は乳首に触れられてびくっと身体を揺らした。見えない所為で、紅丸の行動が予測出来ずに身構える間も無く翻弄される。
「あっ、」
今度は下着の上から触られる、その布越しに感じる手の動きに気を取られて腰からじわじわと熱が生じ始めた時、いきなり乳首を潰す様にぺろりと舐められ吸われた。
「うあっ、」
もう、如何なってるんだと紅丸の着物をぎゅっと握る。常には突然に与えられる刺激だが、紅丸からすればこれでもゆっくりと優しくしているつもりだ。
とうとう下着の中に潜り込む、冷えた手の平に直に包まれて腰が揺れる。
「ふあっ、わっ、」
闇は常の感度を鋭くし、嫌がってない所為もあるのかあっさりと身を委ねさせてしまう。無抵抗なままに行為はどんどん進む、
「うう、」
狭い面積の布地がずれて、握られた手ごと剥き出しになり濡れた音を立てる。
焦点の合わない水色宝石が月明かりで反射し、紅丸の瞳を射た。美味そうな輝きに誘われて、ねろりと偽の眼球を舐める。睫毛が舌に押されて、常は思わず顔を背けぎゅっと強く目蓋を閉じた。
「ああ、美味いな。宝石の味がする。」
「食べ…たら、っ駄目だ、」
これは明日に片方取り出して白楊に渡す宝石、北国へ行く為の路銀だ。紅丸が食べてしまえば契約出来なくなってしまう。
「大丈夫だ、食ったりせん。なんだ、怖かったのか。」
常は首を振り、漸く目蓋を開ける。紅丸の声がする方を向いた。
「違う…けど、あの、ごめんな。」
本当は紅丸になら瞳を食べられても構わないが、一つは如何しても必要であるし、その理由が述べ辛い。また白楊に新たな契約を頼んだなど言えない、なので謝った。
「いいや、見えぬ目を舐められれば不安にもなろう。北国に居た頃の偽りの姿であっても、牡丹の匂いは変わらぬな。全て愛おしい。」
「でも、もう子供は産めないし…目だって見えない。」
それは、ずっと感じていた不安でもあった。両性を失くし、子供を産めないのであれば果ての屋敷の御方様など務まらない。以前褒めてもらった、本来の瞳も失くした。もう、紅丸の気を惹く要素など何も無いと思っている。
「どんな姿であろうと、俺はお前が生きていればそれだけで良い。元より、子作りの為に屋敷へ連れて来た訳ではない。」
それは本当の事で、出会った時に惹かれて屋敷へ連れて帰った者が、偶々両性の魔法に掛けられていただけの話だ。
「そうなのか、」
「そうだ。性別などには拘らぬ、」
幾分か丸みを帯びた頬のラインにくちづける。元々のきめ細かい質感に、柔らかみが足されている。
そのまま、ふっくらとした唇を吸えば手に握ったモノが反った。邪魔な下着を下ろし剝ぎ取る。
「んんっ、…ぅ、」
濡れた指で穴の周りに触れ、襞を掻き分け挿れる、内壁は濡れまだ狭く熱かった。抜き差しすれば、前から垂れた液と中からの液が混ざり合う。
「っあ、ああ、」
今迄体験した事のない感じに、細い身体は仰け反った。腰が揺れる、何処もかしこも敏感に反応し、紅丸の舌が再び胸に這うとびくびくと内壁は収縮する。
「とろとろになってるな、そろそろ良いか。」
そんな言葉を気にしている余裕などない。充てがわれた冷んやりとした、二本の指よりも太い物が少しずつ中を進む。熱い内壁を擦られ、直ぐ近くに在るモノがぷるりと膨らみ液が滲んだ。
「はぅ、…っふ、んっ、」
きつい。しかし、奥迄満たすその冷たさが気持ち良い。暫し止まり、ゆるゆると動き出す。
「あ、あ、あ、」
何度か浅く引いては押されて声が出る。やがて慣れた頃、ゆっくりと抜かれてぐぐっと突かれた。
「あんっ、」
その、喘ぎ声。以前に自分が女性から聞かされた声と同質の甘さを帯びて、室内に響いた。常は、咄嗟に両方の手の平で口を押さえる。
「如何した、痛むのか。」
「あっ、ううん、っ、」
心配そうな声に否定するが、口を開けばまたあの声が出る。直ぐに、ぐっと唇を結んだ。
「ならば、嫌なのか?」
「まさか、嫌な訳ないっ、」
嫌だとは露程も思ってない。寧ろ、明日には解ける魔法でも、こうしてつながっている事が嬉しい。
「そうか、では何故手で口を隠すのだ。」
紅丸の長い指が常の手首を掴む。中の動きは止まっている、今のうちにと手の平を退かして訳を話す。
「なんか、変な声が出るから。」
「変な声?…ああ、これか、」
そう言って紅丸は笑うと、おもむろにぐいっと腰をぎりぎり迄引き、ぐちっと一気に押し込んだ。敏感になった体は、その行為にひとたまりもなかった。
「あああ、」
続け様に、身体を揺すられ、穿たれる度に膨らんだモノが揺れて下腹に当たる。感じ過ぎて太腿が震える。頭がぼやけ、もう手の平で口を覆う事も忘れて、夢中で着物を着たままの背中に縋った。
「あん、あん、あん、あん、」
「良い声だな、ほらもっと鳴け。」
そう言って紅色と金色の瞳が細まるが、魔物の冷たさは無く、上気した顔を見詰める目には愛おしさが込められている。
片足を持ち上げ、震える太腿にくちづけた。そこに紅色の蝶が、刺青のように刻まれる。今にも飛び立ちそうな美しい蝶だった。
やがて常は精を放ち、紅丸もまた果てた。強い魔の精を直接中に浴び、初めての行為に奥から流れた血と混ざる。股から伝うままで、気を失くしてしまった常の身体を清めベッドに寝かせると、紅丸は西国を去った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
59 / 120