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depression Ⅵ
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「じゃあ 二枚でどうだ⁇」
「二枚上等‼︎」
至近距離からいきなり声がして
驚きを悟られない様に 目だけ横に向けた
「………」
特訓中だったんじゃないのか…
そう思って後ろを振り返ると
蛙の様に伸びている彼が見えた
…死んだ⁇
そんな事を呑気に考えていると
前から喧しい声が響く
「いくぜぇ‼︎」
来るであろう強打に備えて身構える
「メガネ君は
ストレートをキッチリ締めとけよ…」
少し癪ではあったがその言葉に従って腕を伸ばす
クロスに打たれたスパイクを捕らえた様には
思わず見入ってしまっていた
「ウェーイ」
「くっそぅ‼︎」
…こういう事が出来るのが αの人達なんだろうな
そんな事を考えていた時
前からムカつく台詞が聴こえてきた
「…う〜ん やっぱメガネ君さぁ…
読みは良いんだけど…こう…
弱々しいんだよなブロックが‼︎
腕とかポッキリ折れそうで心配になる
ガッと止めないと‼︎ ガッと‼︎」
「…っ‼︎」
出来るんならとっくにやってる…
苛立つ心を落ち着かせ
ヒクつく口角を 何とか元に戻した
「僕 まだ若くて発展途上なんですよ
筋力も身長も まだまだこれからなんで」
そう発した直後だった
一番言われたくない事を言われたのは
「悠長な事言ってると あのチビちゃんに
良いとこ全部持ってかれんじゃねぇの⁇
同じポジションだろ⁇」
「………」
日向は苦手だ
僕が当の昔に捨てたモノを
当たり前の様に持っていて
見ろと言わんばかりに振りかざす
「「ん⁇」」
「…それは仕方ないんじゃないですかね⁇
日向と僕じゃ 元の才能が違いますからねぇ」
日向には ソレを引き出してくれる相手がいる
でも 何が 一番スゴイって
心の底から人を信用出来る事と
Ωだって努力すればエースになれると思ってる事
『…カッコ悪い』
あの時 僕の中から無くなってしまったモノ
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