アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
動け(煌牙side)
-
「……動けよ。いい加減、出してぇ。……おまえん中で、イカせろ」
雪夜の瞳に、熱に浮かされた表情の自分が映っていた。
うなずいた雪夜の腰が、ゆっくりと揺れ始める。
可憐で艶かしく、清らかで淫らな動きに、すぐにも呑み込まれ、腰を中心に甘い痺れが広がっていく。
「あ…っ、は…ぅ、坊…っ、いい……ですか…っ?」
「……っ、見てりゃ……、わかん、だろ……っ」
「……はい、……んっ、坊……の…、すごく……熱……っ」
とろけるような瞳で言われ、折れそうに細い腰がくねった。
「……っ、それ、やべぇ……」
「これ、ですか……っ」
腰がS字に揺れる。
「だからっ、待てって……っ」
「……坊、好き……」
雪夜が幸せそうにささやいた瞬間、
「……っ」
うねる中と果てしなく淫らな腰の動きに、ギリギリまで昂ぶっていた身体の奥で何かが弾けた。
今まで感じたことのない温かい濁流に流されるまま、奥深くに繰り返し放った。
己の命の一部が確かに流れ込んでいく……そんな気さえした。
一際甘く啼いた雪夜の身体が張り詰め、やがて風に舞う花びらのようにゆっくりとほどけていった。
崩れ落ちないよう必死に膝に力を込めて耐える身体をそっと抱き寄せた。
心臓の音がうるさい。
右に身体を倒した。
なけなしの体力を使い果たし、身体はドロのように重かったが、心はいつになく深く満たされていた。
「坊……、ありがとう……ございます……」
まるで欲しくて欲しくてたまらないものを譲り受けたかのように、雪夜が微笑む。
その瞳から突如としてキラキラした涙が溢れ、うろたえた。
「何、泣いてんだよ……?」
「あれ……? どうしてだろ……、……っ、こんなに、幸せ……っ…なのに……っ」
次々、頬を伝う涙を、細い指先が必死に拭う。
「……っ」
「……泣くな」
「ごめんなさい……っ、でも、ど……しても止まら、なくて……っ」
「くそ……っ」
放ったら、かつてはなけなしの興味すら失った。
後戯や会話はおろか、同じ空間で過ごすことすら煩わしく、寄るなと冷たく拒んだものだが、雪夜に限っては逆に愛らし過ぎて参った。
そう言えば、中に出したままだと気づく。
男の雪夜に限って妊娠の心配はないのだろうが、それが逆に物足りなくもあった。
女なら。
それこそ部屋の外にも出さず、毎日溢れるほどに注ぎ続けたろう。
そうして十月先に、自分の子を抱けばいい。
もう、誰にも触れさせたくない……。
抱き潰して、過去ごと塗り替えてしまいたいほどの強烈な独占欲に、たじろいだ。
こんな感情は知らない。
士郎に心が揺さぶられた時期もあったが、あれは単に甘えすがっていただけだと気づく。
揺らがない姿が眩しくて、温もりが恋しくて。
寄り添っていると楽に呼吸できる気がした。
雪夜は違う。
やたらと心を揺さぶられて、苦しかった。
苦しいのに甘く崩されていく。
次々と知らない自分が顔を出す。
泣き出したくなるほどに愛しくて……そうか。
これが愛しさなのかと、はじめて温もりあるふわふわした動物に触れる幼な子のように、恐る恐る雪夜の髪に触れてみた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
163 / 297