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熊谷先生の憂鬱12
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(熊谷先生語り)
「葵、ここにおいで。」
ソファに座り、葵を膝の間に座らせた。
恥ずかしいのか、俺の顔は見ないが、こちらからは葵の横顏が見える。
可愛くて思わず頬にキスをした。ビクッとなる仕草に愛しさが溢れてきて、ぎゅっと抱きしめる腕に力を込めた。
「今から隠さずに全部話してくれるかな。」
葵は頷くと、ボソボソと話し出した。
聞いている内に段々と腹が立ってきた。
猪俣との関係が特殊すぎて、それしか知らないから、また同じような事を繰り返すんじゃないかと思っていたらしい。
要するに、俺が好きな時に葵を呼んで体だけの関係……みたいな。
好きな人から呼ばれたら拒めないし、嫌われたくないし、でも都合のいい相手にはなりたくない。
どんだけ不倫脳なんだよ。
猪俣に本気で腹が立った。
葵には、普通の恋愛を教えてあげたい。
好きだから一緒にいたいという気持ちを感じさせてあげたいと思った。
我儘を言っても嫌いになるどころか、可愛くて仕方がないのに。
一人だとつまらないことも、二人でやれば楽しくて幸せなんだよ。
「……だから、先生が同じだったら……と思うと聞けなくて……ごめんなさい。」
「あのな、葵、俺は全く違うから、あいつと一緒にするな。」
思わず語気に力が込もった。
「これから、葵のしたいこと、やりたいことを一つづつやっていこう。嫌なことはちゃんと言うこと。約束。」
小指を出して指切りげんまんをした。
野田が言ったみたいに高校生の恋愛みたいだなと思った。
甘い甘い初恋のようだ。
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