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〃 ②
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やった言えた!よく言ったよオレ!予選の事とか
言い出しちゃうから、どうしようかと思ったけど。
おしおしおーし!って、イヤ、沢村じゃねーし。
好きという言葉を絞り出した御幸はアタマの中で
自分を讃えたりツッコミを入れたり軽いパニック状態だ。
「…」
「純さん、あの」
黙ったままの純の反応に御幸は戸惑う。
何だとオラ?とか、ざけんな御幸!とか吠えてくるかと思ったのに……
「…好き…ってのは、アレか?…恋愛の対象として…って事か?」
「は、はい、勿論そうです!」
冷静に聞き返され、御幸は更に言葉を続ける。
「ずっと、ずっと…純さんのこと好きで…夏大の前の大事な時って分かってますけど…どうしても…!」
「……ありがとうよ。だが、悪い…オレは応えらんねえ。……悪いな」
そう言って御幸に背を見せる純。部屋に戻るのか。
「お前も早く戻れよ。あしたも練習だ」
振り返りもせず、歩き出す。
うそだろ?
御幸は、呆然としていた。
オレ、振られたの?純さんに?こんなに呆気なく?
そんな訳ないだろ?欲しいモノは大概 手にしてきたオレだよ?
しかし、純の背中は遠のいていく。
イヤだ、イヤだ、純さん…行っちゃイヤだ!
「純さん!!」
純の背中に向かって叫ぶ。
「イヤです!オレ、純さんがいないとイヤです!」
御幸の言葉に、純が足を止める。
「…別に、オレがどこか行く訳じゃねえだろうが」
「そうじゃなくて!茶化さないで下さい!」
ああ、オレ、みっともないな、振られたのに。
未練たらたら。カッコ悪いよな。
でも…
「純さんにもオレのこと好きになって欲しいです!」
…あー本音 出ちゃった。ひとりよがり。最低。
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