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変化ない日常Ⅲ
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ある日の放課後--。
「んー…いーぶーきー」
「んだよ」
「なぎくん、恋したいですよ?」
暇してる俺達に任されたお花紙作りを放置して、顎を机の上に乗せて気持ち悪い甘え声を出した。
この頃毎日のように恋したいと呻く。
カップルを見る度に「リア充爆発しろ!」って睨み利かすし…。
参ってる。
凪がこうなった理由は体育祭だ。
団の為のTシャツ作りをカップルが目の前で作ってるのは別に問題ないが、時たまイチャつくと…うん、大変だ。
応援グッズの完成を見せ合ってイチャつくカップルもいる。
体育祭とは何ぞや?と目を疑いたくなる光景を見せられている凪は堪ったもんじゃない。
中学時代から恋愛に縁のない俺と渚は、イチャつくカップルが嫌いで仕方ない。
ただ、今年は違うんだよな…。
自然と目で追っている俺がいる。
特に何もせずに、自分の席に座っていつも通りにしてる巡を。
ハラハラと色とりどりの何かが目の前を落ちていった。
ぼけっとしていた俺は我に返り、落ちた物へと目線を向ける。
床には俺と凪が作ったお花紙が落ちていた。
「おまっ、何してんだよ!」
「柊季が無視すっから拗ねた!」
「してねぇし、うっせぇし、手動かせ」
口を尖らせ文句をブツブツ言ったまま、凪は自分で撒いたお花紙を集めて机に乗せた。
文句を言い出したら止まらない凪は、ブツブツ口と共に手を動かしていた。
紙が無くなる度に補充され、山になるお花紙に終わりを感じられずにいる。
一体何個作った?と数えるのも億劫になる程に幾度となく重なったお花紙。
凪が「まだやんのかよ」と軽くキレ始めたが、誰も聞いちゃいない。
それでも手は動いてて感心した。
馬鹿なのか真面目なのかわからねぇ奴。
お花紙の数が机に追いつかなくなった時、やっと地獄から抜け出せた気がした。
「お疲れさま、助かった」
と任せた奴が言うと
「帰っていいよ!ありがとう!」
と後ろにいた子が言って解放された。
凪からは無理だったけど…苦笑
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