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無力が故に闇に誘われⅨ
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一冊のノート。
普通のサイズのノートが重いはずもないのに、物凄い重みを感じる。
漬物石くらいの重み。
読んどけって言われてもなぁ…
怖くて一頁目を捲る事すら屈する。
表紙には何も書いてないし、捲るのは怖いしで、最低な程悪い事が書いてるんだと妄想してしまう。
ノートを両手で握り締めながらボスっと身体を布団に沈める。
電気を隠すようにノートが光を遮り、逆光を作る。
黒くなるノートは更に怪しさを増した。
「っ…はぁー…」
長い溜息が漏れる。
横を向くと同時に腕が下がり、左手の力が無くなりパサッと手からノートが床に落ちた。
慌てて上半身を起こして落ちたノートを見る。
文字が書かれた頁が開かれていた。
見出し項目らしき物が書かれていて、その下には説明文らしい言葉が並んでいた。
それが何処と無く取り扱い説明書にも見えて、自分の目を疑った。
何度も目を擦り見直すが、何かが変わるわけも無く、何故か溜息が零れた。
熱の所為だと幻覚だと思い込もうにも、ノートが現実を突きつけてくる。
熱さまシートの貼られた額に腕を乗せて、目を瞑る。
混乱が頭痛に響く。
「んだよ…これ」
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