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無力が故に闇に誘われXⅣ
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「けどなんだよ」
冷めた声に、一瞬固まる。
何か言わないと。
正直にじゃなく、嘘で固めてしまった言葉を。
考える
考えて
考えた
「熱、出してる奴に渡すのは…違う、だろ?」
苦し紛れの言葉は詰まって、情けなくて、嘘だと見抜かれてしまう不自然さ。
「……そんなものなのか」
…巡は馬鹿なのだろうか?
もし、わかっていてあえて無視されているとするならば……。
穴があるなら入りたい気分だ。
怒られた方が何倍にもマシなのに…。
変な気遣いだとしたら、苦しすぎる。
「お、ぅ?」
「そっか…じゃあ、今なら読めるよな?」
「…おう、、はっ⁉えっ、無理!」
「何で?」
「家!家置いて来たから」
「…家行くからすぐ読んで」
あれ?
俺、自分ち帰るんだよな…?
何で巡が誘導してんの?
俺の腕を掴んで引っ張って先を行くのは俺の家の方向で。
どうしてこうなったんだ。
頭は状況を飲み込めず、混乱していた。
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