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取り戻したいX - 巡side -
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あれ以上傷付けたくないから距離を取った。兄ちゃんには言えないから、その事を同じ年の従姉の子に相談した。
春羅は「それだけ大事って事でしょ?好きに偽りは禁止だよ!」って、説教してくれた。
“好きに偽りは禁止”
気持ちに嘘をついてはいけない。そう言うのと同じなんだろうけど、俺にはどうしても隠そうとする本能が働いてしまって…。
春羅は見抜いてたんだと思う。俺のこんな性格も、何もかも全て。だから、あんな事言ったんだと思う。
まずは、自分の気持ちを知る
その次にそれを受け入れる
受け入れたら相手に伝える
相手の気持ちを聞いて知る
例えどんな結果でも受け入れる事
そう教えてくれた。
俺はまだ自分の気持ちを知ろうとしている段階。全部飛ばして来た柊季に、俺はどう答えたら正解なんだろう。
ルールも掟もない、白紙の上に載せる言葉は……。
「へぁ……よっ、しくお願ぃ……」
「…?」
「再びよろしくお願いしますッ!!」
ルールも掟も順序も準備もない、勢い任せに立ち上がり、右手を差し出して頭を下げた。
空白の時間。
嫌われた、そう思って手を下げようとした時……
ぶはっ!おもしれぇ
大笑いしながら、ガシッと伸ばした俺の手を掴んで、めちゃくちゃイケメン、イケボであぁ、って言ってくれた。
この時、ズクンと心が波打ったのは言うまでもない--。
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