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クリスマスパーティーⅠ -巡side -
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家の中が毎年恒例のクリスマス一色で染まる。
兄ちゃんと飾った天井にてっぺんの星が掠る程の大きなツリーに折り紙で出来た使い回して古くなった輪っか、小さなイルミネーションに、クラッカー。
机の上には大きなチキンにホールケーキ、その他サラダやピザなどクリスマス、クリスマスしていた。
毎年見ても見飽きないのは、一年に一度だけだからだろう…。
「巡、うきうきしてんな」
「今年は友達が来るから!」
「あいつ?」
「うん!柊季!あと、柊季の親友で俺のともだち…?の佐々波くんが来る!」
「曖昧だなぁ…」
兄ちゃんはそう言うとリビングを出て行った。
俺も後を追うようにリビングを出て、部屋に向かった。クリスマス用に毎年用意されているクリスマス専用衣装に着替える。仮装してクリスマスを祝うのが俺ん家の決まり。
柊季達にも伝えておいた。
今年はサンタだった。
ちゃんと白のもふもふ髭もつけて、白い巾着袋にはみんなへのプレゼントを詰めた。完璧。
部屋を出て兄ちゃんの部屋をノックする。返事後入ると、兄ちゃんは真っ赤なお鼻のトナカイだった。去年、俺が着たら子鹿みたいだって笑われた。
身長のある兄ちゃんはどんな格好しても格好良くて、イケメントナカイ。それこそ成績良さそうな優秀トナカイだ。去年のクリスマスツリーすら自ら光を放つ勢いで着こなしていた。
見惚れていると可愛いと言われた後、帽子の中に何か入れられた。
「何?」
「暇な時に見な、、メリークリスマス」
「…あ、待って!」
俺を置いて行った兄ちゃんを追いかける。帽子の中でコロコロと箱が動く度に転がる。
追いかけるのをやめて帽子の中から箱を取り出す。
小箱だ。赤にラメの入ったリボンでラッピングされてて可愛らしい。
開けるか迷った。まだプレゼント交換時間じゃないから。長々と悩んだ末に開けるのは後回しにした。
兄ちゃんが先に渡した理由なんて、俺にはわからなかった。
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