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「三島、なに見てんの?」
学食のテーブルで向かいに座ってカレーを食べてる森に訊かれて視線を戻す。
「あれ、俺のイトコ。」
注文カウンターの側で騒いでる、男女が入り混じったグループを箸で指す。
「どれだよ?」
「あー、あの一番ちっこい男。」
笑いながらそう返してくる森に答えると、こっち呼んでみればって恐ろしい事を言うからそれは止めとこって全力で言う。
「なんで?」
「あれと関わるとロクな事になんねーから。」
俺なんか、母親代わりに面倒見てるって付け足すと爆笑されて。
それってお前が苦労性だからだろって突っ込まれる。
俺達のテーブルとは対角線上の向こう側の席に座った渚たちの集団は楽しそうにしてて。
友達ちゃんとできたんだ、マジでよかった。
あの訛りで今も喋ってんのかな、ホントにウケるんだけど。
何食ってるんだろ。
こっちからじゃ、見えねーし。
あー気になる。
「そんな心配そうな顔で見守るくらいなら、マジであのイトコくん呼んで来れば?」
「やー、それは無いわ。」
軽い調子でそう返事をしてラーメンの残りをすすりながら、それでも渚から目が離せなくて。
友達に囲まれて笑ってる渚。
その顔を見て安心してる自分をどうしようもないなって思った。
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