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どんより。
そんな感じの空。
そして、そんな感じの僕。
僕こと篠宮時雨はただいま、とてもダルイ気分です。
えー、ほんの数分前のこと。
今朝は寝坊して、サンドイッチだけを食べた。
その上曇天。
挙句、下駄箱で……
「あーーーー!!!」
ハイ、鼓膜破れるかと思いましたよ。
で、声の方を見てみれば、頭がモジャモジャモジャモジャの男が。
「おまえ!」
いきなり僕の所に来たと思ったら、思いっきり腕を掴んできた。
「いって。
え? ちょ、なに?」
当惑してそう返せば、少し怒ったようにモジャ男は鼻息を荒くした。
キメェ。
「この前のヤツ、なんだよ!
おれが名前聞いてるんだから答えろよ!」
な……なんと…………理不尽なw
なにそれ、自分が世界の中心だとでも思ってるんですか?金持ちの親が居れば何しても許してもらえるとでも思ってるんですか?自分勝手にもほどがあると思いませんか?そもそも訳わかんない理由で人の腕思いっきり掴んでもいいと思ってるんですか?はぁー?そんな訳ないじゃんwww
って、言いたいのを飲み込む。
あまりに自分勝手なモジャ男に、周りがこっちを見てヒソヒソと話してる。
僕は目が悪い分、耳がいい。
だから全部聞こえてるよw
『なにアイツ、篠宮くんの腕を掴んで、汚らわしい』
『最低。 今すぐ手を離せ』
『篠宮くんが困ってるっ』
的なね。
やだ、僕人気者?w
「おい答えろよ」
「えー? なんで?」
「おれが友達になってやるって言ってるだろ!」
いや、友達の件は初耳だわw
そして自分勝手過ぎ。
『あのマリモっ、篠宮くんに向かって……!』
『許せないっ』
『ムカつく!』
あらあら、ヒソヒソじゃなくなってるよ?
モジャ男も何だか怒りだしたし。
「なんでそんなこというんだ、最低だ!
謝れ!」
あーあー、うるさいなぁ。
その口縫うぞ?☆
あ、なんか☆久しぶりに使ったw
「まぁまぁ、皆落ち着いてよ」
僕がそういうと、一気にしんとなった。
なんかこれ、クセになりそうw
「ねぇ、安曇野尋くん。
僕の名前ってさ、多分ここに居る皆が知ってくれてると思うんだ。
なんでかわかる?」
上履きに履き替えながらそう問い掛ける。
すると案の定、わからない、という表情になった。
「安曇野尋くん、君さ、4日前の6時間目、何処にいたの?」
モジャ男はえ?え?と聞き返してきた。
2回も言うわけないでしょw
「その時ね、全校集会があったんだ。
そこでね、僕の名前皆が知ってくれたんだと思うんだけど、ね?
どうかな、皆」
見渡せば、誰もがうんうん、頷いてくれた。
4日前の6時間目。
補佐任命式に出ていれば、寝ていない限り僕の名前は記憶の片隅にくらい置いてくれていると思う。
そこに居なかったのは、モジャ男とその取り巻きくらい。
「そんなに僕の名前が知りたいなら、4日前、全校集会に出てなかった自分を責めなよ。
そもそも、僕は君が友達じゃなくったって、たくさん友達がいるし」
「な、なんでだよ!
おれが友達になってやるって……」
「あのさ」
喚き出しそうなモジャ男の言葉を遮る。
君の性格を変えるのはもう少し後回しにしようと思ったけど、なかなか迷惑だし、それに僕、少しキレそう。
ため息を吐いただけで何も言わない僕に痺れを切らしたモジャ男は、さっきみたいに大声で何か怒鳴ってきた。
「チッ……」
あ、つい本音(舌打ち)が。
「友達に舌打ちはいけないんだぞ!
謝れよ!」
「ほんと煩い。
君さ、自分がどれだけその声量で周りに迷惑かけてるかわかってる?
君ってもはや、歩くノイズだよ。
大体、そうやって理不尽な御託を叫んで無理矢理自分の意見を相手に押し付けるのって良くないと思うんだよね」
ノイズっていうところから理解できてないみたい。
途中からついていけずにポカンとした顔をしていた。
話が通じない奴ほど嫌いなモノはないよ。
特に子どもってキラーイw
「それじゃあね。
あさのSHRに遅れちゃう」
「え? あ、おい!」
もう無視して教室に向かう。
ガキの相手なんてゴメンだね。
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