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狂気の果てで【side/周防 恭介】
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俺は椎名のクラスを出たあと
校舎の外れにある技術室へ向かった
入り口には南京錠がかかっていたが
根元から蹴り壊して中に入り
後ろから息絶え絶えについてきた椎名を
引っ張り入れる
「せんぱ………足、はや……」
立ち止まろうとする椎名を無視して
ツカツカと準備室へ進む
椎名が苦しそうに
待って……、と訴えるのも
聞き入れなかった
準備室の入り口には
やはり同じように南京錠がかけられていたが
それも同じように蹴り壊す
雑然とした室内を突き進み
棚のあちこちをかき回して
無言で目的のものを探し続けた
…………あった
俺は『それ』を手にすると
来た道を戻り
誰もいない技術室の
机の上へと乱雑に投げた
「いったい、何なんですか……」
額に少し汗をかき
訳がわからないといった表情で
椎名は俺を睨み付けた
いつもの俺なら
この場面で何を言うべきか
どうすればベストな選択なのかを
考えて結論を出すところだが
俺は狂乱していた
だから
ありのままの返事をした
「選ばせてやるよ」
狂的な目で椎名を見つめると
オニキスのような輝きを放つ
黒くて大きな瞳が
ユラユラと揺れた
―――悪いな、椎名
俺は
お前を手離すよ
「今すぐこの鎖を切って自由になるか」
何もかも壊したい衝動に駈られた俺を
底無しに狂い咲かせる
美しくも醜い夜叉が
俺の心を食い尽くし
愛しい人を
ズタズタに傷つけるまで
……………たぶん俺は
………きっと………もう………
「今ここで
―――――俺に抱かれるか」
止まれない
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