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尾野 帝の日常(君は・………)
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真柴和臣は
剣道部の部室に入ると
俺を降ろし、ドアの鍵を閉めた
さすがにキツかったのか
はぁはぁ、と息をしながら
自分のロッカーから
未開封のミネラルウォーターを取りだし、
グビグビと飲んだ
「飲みますか?」
「いらん、つかおい、拉致監禁魔
人をこないなむさ苦しい場所に
閉じ込めてどないするつもりやねん」
「尾野さんと向き合いたいだけです」
「さっきの放送、聞いたやろ?
俺と会話するヒマあるんやったら
はよぉ恭介んとこ行かな、
メガネっ子に持っていかれてまうで?」
「尾野さん」
椅子に座るように促され
素直に従うと
真柴和臣は椅子の前にしゃがんで
パイプを掴み
さらに俺を閉じ込めた
見上げるように
涼しげな瞳に見つめられ
ドキドキしてしまう
これって………
もしかして告は……
「俺は、恭介が好きです」
俺は石のように固まり
ビシッと亀裂が入った
「野性的な恭介に憧れていたし
友達思いで優しい人間性に惹かれる
知的で冷静に行動する部分も
尊敬しています」
満身創痍の俺に
クリティカルヒット
うぅ…………
わかっちゃぁいるけど
大ダメージ………
「でも、俺は」
蒼いイメージのある静かな瞳が
俺を見つめながら真っ赤に燃え上がった
「恭介以上に
尾野さんが好きです」
―――――――――――――
――――――――――
――――――誰が
――――――誰を
――――――何やて?
「……………っちょぉわからん……
…………ごめんやで、ちょぉ待って……」
俺は意識を
自分の頭に走らせた
けれど
真っ暗で何もない
「…………ごめん、やっぱわからん……」
「わからなくても大丈夫です」
真柴和臣の
清く正しく美しい顔面が
ゆっくり俺に近づく
「な、なになに……」
真っ直ぐな瞳が
ゆらりと妖しく揺らめいた
「今から………………
その体に刻みます」
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