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僕だけなのかな……?【side/椎名 春馬】
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僕は廊下を曲がり
また曲がり
とにかく恭先輩の視界から
消える瞬間を待って
教室へ隠れた
『椎名!』
恭先輩が僕を呼び
走り去る音が過ぎると
力尽きて
ズルズルと床に座った
―――何してんだろ、僕
勝手に嫉妬して
勝手に動揺して
逃げたくないのに
勝手に逃げて
どんどん
底無し沼にハマっていく………
扱いきれない自分の感情に
振り回されて
そんな自分を相手に晒してしまい
『嫌われたかも』って
………不安になる
みんな恋すると
こんな風になっちゃうの?
それとも僕だけ?
……………わからない
手首に残った手錠の跡を
そっと撫でる
恭先輩と繋がれていた証
一生消えなければいいのに………
離れたくないよ………
ずっと
そばにいたい………
―――感傷に浸り
うずくまっていると
『椎名!どこだ!』
恭先輩の声が
また近づいてきた
『……椎名!』
恭先輩………
愛しい人が
何度も名前を叫びながら
必死に僕を捜してる………
…………仕方ないな
もう一度呼ばれたら
出ていこう………
…………………………
…………………………
…………………………
…………………………
呼べよ、バカ犬
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