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逃げる恭先輩
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「…………と、言うわけなのよ」
本当は自分の口から説明したかったのに
お喋りのでしゃばりな母親は
自分の楽屋で僕の経緯を
かい摘みつつ
ペラペラと喋り散らした
自分の母親の説明を聞きながら
追憶していた僕は
チラッと先輩を見る
先輩は口に手を当てながら
真顔で母親の話に耳を傾けていた
―――理由はどうであれ
先輩を追いかけて
同じ高校に行ったわけだから
はっきりいって、僕
ストーカー扱いされても文句言えない
は――――…………
嫌われたかな
キモい奴だって
思われたかな………
最悪だ…………
「何だよ……それ…………」
先輩は呟き、大きなため息をつくと
両手で顔を覆った
ショック………受けてる?
全身の血の気が
サッと下りていく
「すみません……
ちょっと……席外します………」
そう言うと
恭先輩は楽屋を飛び出した
ウソ…………
やだ…………
「ま、待って!」
僕も恭先輩を追って
慌てて楽屋を飛び出した
やだ………………
やだよ…………恭先輩
お願い……………
行かないで………………
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