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いつもの朝【side/椎名 春馬】
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ビジネス街に
置き去りにされた僕らは
体の火照りを鎮めるために
当てもなくさ迷ったあと
先輩は
僕をタクシーに乗せ
「明日の朝、連絡する」
そう言って
僕に触れるだけのキスをして
あっさり
家に届けた………
てっきり何処かに
連れ込まれるのかと思ったのに
ホント、先輩って
何考えてるのかわかんない
『西園寺 奈津美』への写真も
なんか変なやつ選んでたし
あんなんで
納得した母親も母親だし
『連絡する』って言って
ホントに連絡くれたけど、
甘い会話もなく
『しばらく会えない』とか言われて
ショックだったし…………
もう
一週間も
先輩に会えてない………
―――――――
ずっとそばにいたい
離れたくない
相手に執着してるのも
もっと1つになりたいって
そう
思ってるのも
やっぱり
僕だけなのかもしれない
放送室で恭先輩と交わした
『恋人』の契りが
今の僕の心の支え………
はぁ…………
『お揃いの指輪』でも買おうかな
先輩に会いたい…………
触れたい………キスしたい………
…………っていうか
「ちょっと昴!いつまで寝るつもり!?
さっさと起きないと、会社遅刻するよ!」
僕は2階に向かって叫びながら
二人分の朝食を
テーブルに並べていく
しばらくすると
「おはよ――…………春馬」
寝癖だらけの髪の毛を
手でならしながら
ビジネスシャツ姿の昴が降りてきた
「またシャツのまま寝てる………」
「起こしにきてくれると思って
ベッドの中で待ってたのに………」
「引きずり込まれるからイヤだ」
僕の言葉にふっと笑うと
昴はテーブルに座り
コーヒーを一口飲んだ
「ん――――、ちょうどいい濃さ!
やっぱ嫁にするなら春馬だな」
「はあ?バカなこと言ってないで
さっさと食べちゃってよね」
『柊木 昴(ひいらぎ すばる)』
母親の弟の息子で
僕のいとこ
年齢は…………
「昴って何歳?」
「ん?僕?24才だけど………因みにA型ね」
らしい
会社がこの家から近いらしく
半年前から
週の半分以上はうちに泊まっている
「ねぇ、今日デートしようよ」
「やだ」
「えー?この間はしてくれたのに」
「あれはデートじゃない」
「だよね―――………
春馬すぐにどっか行っちゃったし………
今度はちゃんと参加してみる?
春馬なら男女関係なく
すぐにモテモテになるよ」
「はぁ?興味ないし
ていうか、
そのおかげで誤解されて困ってんだけど」
「誤解?」
「…………なんでもない」
『合コン事件』の張本人、この人です
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