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放課後と再会 14歩 side 侑李
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俺は柚月と話した後、しばらくさっきの小説を読んでいた。
それを読み終え、ソファのあるリビングへ行くと、ソファで柚月は丸まって眠っていた。
「スーッ…スーッ…」
穏やかな寝息を立て、気持ちよさそうに眠っている。さっきの喚いていたときと全然違う。
こいつに何があったのかは知らないが、情緒不安定なことや触られるのを嫌がり過ぎることが気になる。
触られるのは人それぞれだとしても、情緒不安定なのはどうにかしてあげたいと思う。
俺は眠っている柚月を優しく抱えて、ベッドに寝かせた。あんなところじゃ寒いから。
「お前は一人じゃないからな」
そう言いながら頭を撫でてやると柚月は少し笑った。
俺は柚月を助けた日が初対面ではない。
初めて出会ったのは、大学生の時のバイト先だった。
大学生四年間、俺は今働いている会社の最寄駅の近くでカフェでバイトをしていた。
駅の近くだが、あまり目立たない、穴場的な場所にある小さなカフェ。
だから来るひとは大体常連客ばかり。パソコンを広げて仕事をするサラリーマンや、紙を広げて何か打ち合わせをする人達、読書をする人、様々な人がいた。
柚月もその内の一人で、週に一、二回来て、いつも店の奥の席で読書をしていた。
平日は高校の制服、休日は私服で来ていた。
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