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ココアと店員さん 03歩
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しばらくそのままでいると、楢崎さんが口を開いた。
「なあ、柚月。溜め込みすぎるなよ。悩みとかあったら聞く」
「…はい」
「約束だぞ?」
「約束します」
僕の返事に、楢崎さんは上半身をそっと僕から離れさせた。
それによって絡む視線。
「俺はお前の味方だから」
「はい…っ」
そしてどちらからともなく再び近づき、唇を合わせた。
「…んっ…」
初めは軽く、次第に深くなるキス。
くちゅ、くちゅ、と鳴り響く絡む音。
「ふ…っ、んん…」
気持ちいい…。
キスってこんなに気持ちがいいものなんだね。
…初めて知った。
今までは、気持ちの悪いとしか感じたことはなかった。
だけど、今は幸せすら感じる。
僕は「もっと」とひたすらキスを求めた。
「…どうした」
え?何が?
唇を離した途端、そんなことを言われる意味がわからなくて、頭をかしげる。
「泣いている」
手で目元に触れると、確かに濡れていた。
泣いてる…。
それは、多分…。
「…幸せな気分だからです」
あなたは、キス一つで僕を幸せな気分にしてくれる変な恋人です。
楢崎さんは「そうか」と微笑んで僕の頭を撫でた。
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