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知りたい
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ガチャ
ドンッ
「…ってぇ!!」
背後に痛みを感じ振り返ると、今一番見たくない顔が覗いていた。
「おい、邪魔だ。」
「…っ京、テメェ授業行けよ。」
俺はドアのそばから立ち上がりつつ言った。
京は部屋に入ってきて、扉を閉める。
「…なんだお前、泣いてたのか。」
「っあ、いや、これは別に…」
あわてて涙を拭う俺を、京は無表情で見ていた。
「…そんなに、嫌だったのか??」
…は?
あ、あぁ…さっきのことか。
「嫌に決まってんだろ。」
「そうか。」
………
会話は途切れ、気まずい空気が流れた。
「…なぁ。
授業、出なくていいのかよ。」
「別に、今日は行く気分じゃない。」
「はぁ?
気分で決めんなよ。」
「お前にだけは言われたく無いがな。」
ギクッ
た、確かに
今のは良い一撃だった…
「でもお前、一応“ユウトウセイ”だろ?
だったら…」
「お前の側にいたい。」
ドキンッ…
「は、はぁ!?
なんだよそれ、気色悪ぃ!!」
急になに言ってんだコイツ!?
聞き間違い…とかじゃないよな。
「そんなチンケな理由じゃダメか?
それとも、お前は俺がここにいること自体が嫌なのか?」
「…いや、別にそういうわけじゃ…」
「じゃあなにが嫌だった。」
コイツ…ホントに頭のねじどっかはずれてんじゃねぇの?
「…そんな事聞いて、どうすんだよ。」
「…犬飼深雪。
お前は、なんなんだ。」
「そんなんそっくりそのままお前に返してやるよ。」
「俺は…」
…また、だんまりかよ。
さっきからオカシいぞコイツ。
…さては、ドッペルゲンガーとかいうやつか!?
「俺は……お前だ。」
「はぁ?」
わけわかんねぇ。
俺はお前ってどういうことだよ。
「…」
何でそんな顔、してんだよ。
今お前は、なに考えてんだよ。
____知りたい。
もっと、コイツを。
「俺馬鹿だから、言ってくんなきゃわかんねぇよ。
…だから、詳しく聞かせろ。」
俺は、ベッドに座ってる京の隣に座った。
「…は、俺のことが知りたいのか??
笑えるな、お前。」
「はぁ!?
せっかく心配してやってんのに…」
「じゃあ約束しろ。
お前に俺のすべてを教えてやる。
だから、お前のすべてを俺が貰う。」
「…っそれは、」
駄目だ、って言おうとした。
でも、言えなかった。
…こんな自嘲的な顔見ちゃったら、断れないじゃんか。
相変わらず卑怯だ、京は。
「…わかったよ。
俺のゼンブ、くれてやるから。
…お前の背負ってるもん、ちょっと覗かせろよ。」
「…別に大それた話じゃない。
だからあまり期待して聞くなよ。」
「ハイハイ。」
京は、少し躊躇ってから、嗤って過去を俺に話し始めた。
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