アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
3日目 1
-
授業が終わるのが待ちきれない。
早く生徒会室に行きたくて仕方ない自分に、びっくりした。
(僕一人で、というのが初めての事だからかな?)
自分が、どうしてこんなに気持ちが浮いているのか考えてもわからない。
そして、愁の事を考えると落ち着かなくなるのも、わからなかった。
そうしているうちに、終礼のベルが鳴る。
「天ちゃん、僕行ってくるね」
「…咲、今日何したのか後で教えて欲しい」
天は声を殺しながら言った。
(たぶん、まだお手伝い許してもらってないかも)
そうは思っても、ここで天に折れたら駄目だ。
咲は天に笑顔を向けて言った。
「天ちゃん、わかったよ。行ってきます!」
咲は気持ちを押さえながら、生徒会室に行った。
トントンッとノックする。
「はい」
(あ、愁先輩じゃない)
声で解ってしまう。
案の定、出てきたのは颯人だった。
(今、失礼な事を考えちゃった!颯人先輩ごめんなさい!!)
心の中で颯人にお詫びを言う。
「こんにちは。お手伝いに来ました」
「ん、時間通り。入って」
奥に案内されると、会長の机には愁が座っていて書類を片付けていた。
「愁、咲が来た」
「うん、よろしくね」
愁は書類から顔をあげ、返事をした。
「はい、こちらこそ」
「ごめん、時間がかかりそうなんだ。待ってて」
そういうと、また書類に目を通し始めた。
「…悪い。この量だから」
颯人が言う通り、書類の山はまだまだある。
「いえ、先輩達はずっと生徒会室に?」
「ああ。この書類の山の目処がたつまで、特例で片付けている」
そういうと颯人は咲を見た。
「…あと1時間後にコーヒー入れてもらえる?そこから愁にテストの勉強、見てもらおう」
「じゃあ、それまで何をしていれば…?」
1時間、何もしないのも落ち着かない。
颯人は事前に考えていたみたいで、すぐに提案をしてくれた。
「俺の用事、こっち来て」
颯人にそう言われたのだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
26 / 111