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某落語アニメ パロ【イチャイチャ編】④
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「!?それはイヤだと言っただろ!」
身の危険を感じた菊比古は背を向け、助六の下から這い出ようと身をよじる。
抵抗するつもりもないのに、自分を縛ろうとする助六の気持ちが理解出来ない。
「まぁ、まぁ、坊。減るもんじゃねぇしよぉ」
「イヤだっ」
物理的に減らなくても、精神的には大きな何かを失いそうだ。
菊比古が振り回した肘が、助六の顔面にめり込んで、ゴンっと痛そうな音がする。
その音と肘から伝わる感触に、菊比古はみるみる青ざめていく。
「――っ!し、信さん!大丈夫かい?そんなつもりじゃ……」
急いで肘をどかすが、助六はうつむいたまま、ぴくりとも動かない。
そんなに当たりどころが悪かったのかと不安に思っていると、助六の肩が震え始めた。
怒ったのか、それとも泣いているのか。
どちらにせよ、今のは菊比古が悪い。
しかし、助六に乗っかられて身動きが取れない今、どうすればいいのかわからず、ただオロオロしていると、助六が顔を上げた。
助六は満面の笑みで、鼻から血を垂らしていた。
自分を心配して慌てふためいている菊比古に愛しさが込み上げ、笑っていたのだ。
菊比古は笑っている助六を訝しく思ったが、とりあえず、怒っても泣いてもいなかったことに安堵した。
「いててててっ」
「すまなかったね。はやく、止血しねぇと……」
「これくれぇ、唾つけときゃあ治るさ。」
「でも………」
「元はと言えば、俺が嫌がってた坊に無理言ったんだ。じごーじとくってやつだよ」
助六は右手で鼻を押さえながら、はにかんで、逆の手でポンポンと頭をなでる。
いくら原因が助六にあったとしても、菊比古が怪我をさせたことは変わらない。
菊比古はある決心をして、大きく息を吸いこんだ。
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