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「......ごめん」
「ん?何が?」
「芹沢さんはああ言ってたけど、正直、今日はグダグダだったから......」
「いいよ。俺に全部委ねてって言っただろ」
「......」
彰吾は本当に、何てこと無さそうに笑った。太陽みたいに温かくて優しい性格は、けれども俺には辛かった。
「雅と仕事ができただけで、俺、今サイコーに幸せだし」
そんなこと、言ってもらえる価値なんてないのに。
「それよりさ、大丈夫?会場出られる?」
正直、もう逃げ出したかった。いないと思う。いるはずはない。そうは思ってもやっぱり怖くて、動けずにいた。
「......雅ちゃん。ちょっとだけ、ごめんね」
不意に近づいてきたと思ったら、いきなり俺のズボンと下着を一気に下ろすと同時に、部屋の真ん中にあった長椅子に押し倒された。
「はぅ......っ!」
そして勢いよくバイブを引き抜くと、指を二本突き刺してきた。
「うん、とろとろ。でも、もうちょっとだけ柔らかくしとこっか」
「ぁ、あっ、んっ」
三本目の指が挿入され、ナカを拡げるようにぐちゅぐちゅとかき回される。
「安心して。俺が守ってあげる。だから今は、俺に溺れて」
乱暴過ぎるほどにかき回されたあとに、彰吾のモノが入ってきた。
「ひ......っ」
「ほら、快感だけ追って。気持ちよくなって」
「いっ、イイ、彰吾の、きもちい......っ」
ずっとバイブを挿入され全身を愛撫されていた身体は、またすぐに快感を拾い始める。極細バイブとは違う熱と質感に満たされ、その上彰吾とはセックスの相性が良すぎて、すぐにでも達してしまいそうだった。
「好きだよ、雅」
「あっ、やぁっ」
「ほら、イって。俺を感じて、イって」
「も、やだ、きもちい......ァアッ」
執拗なほど前立腺を責められ、本当に呆気なく果ててしまった。ハァハァと全身で息をしていると、ずるりと彰吾のモノが出ていった。
「彰吾......?」
「ん?」
「彰吾、イってないけど」
「いいよ俺は。雅ちゃんのイキ顔見れただけで満足だし。......でも、もしいいなら、イベント終わったあとホテル行って、雅ちゃん落ちるまで抱かせて」
彰吾が、精液で汚れた俺の服を脱がしながらそう言った。射精をすると冷静になってしまうのは男の性なのか、精液と共に頭の中を渦巻いていた不安もいくらか吐き出されていた。
「雅ちゃん、行けそう?」
こいつは、俺の何を知っているのだろう。いや、何も知らないはずだ。俺の内面を知る人なんて父ぐらいしかいない。それなのに、彰吾は俺自身以上に、俺のコントロールが上手い。それがとても腹立たしいような、心地いいような、なんとも言えない感覚に囚われていると、汚れ物を片付けた彰吾が再び俺に近づいてきて、頭を撫でた。
「俺のことは、何も気にしないで。最高に気高い女王様ぶっててよ」
「......なんか着るもの、頂戴」
一言の礼も言わない俺に、それでも彰吾は満足そうに笑うと、自分の私服のシャツを渡してきた。それを羽織って、替えの下着だけを身につけ立ち上がる。
「彰吾」
「なに?」
「俺を抱きたいなら、ラブホじゃなくてスイート用意しろよ」
彰吾のネクタイを引っ張って顔を近づけそう言ってやると、彰吾はニッと笑った。
「もちろん。俺の女王様」
彰吾は俺の手を取り恭しく口付けると、そのまま手を引いて楽屋を出た。会場では再び煩いほどの激しいダンスミュージックがかかっていて、扉が近づくにつれ大きく聞こえてきた。
「大丈夫。俺が側にいる」
アンタなんて関係ない......そう言い返したくもあったが、彰吾の声が俺の理性を繋ぎ止めてくれたことは事実で、俺は礼を言うかわりに、彰吾の手をぎゅっと握り返した。
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