アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
#6
-
「…やっぱ頼めばよかったかも」
かさかさと這い回る黒い虫に、本気で嫌気がさす。
せめてシャワーからお湯でも出ればそれで殺せるのだが、生憎と、水しか出ない。
しょうがないのでデッキブラシの柄でぶちぶちと殺して回っているのだが、次から次へと排水溝から出たり入ったりしていて、きりが無い気がしてきた。
タオルすらまともに準備してない場所に洗剤が有る訳も無く、一文無しの俺はそれを買いに行くこともできない。
色々と考えた結果今日の所は諦めようかと、そう思った時。
「ぁ、あの、シセル、さん?」
「あん?…リコか、何?」
さっき苦労して身体を清めた筈のリコが、相変わらずの全裸姿でシャワー室へと入って来た。
「ぇ、ぇと、その、シャワー、浴びに、来ました」
「え?何で?」
丁度、というかなんというか、聞いた瞬間リコの股の間から何かが垂れる。
「ん?…あぁ、もうお客取って来たって事?」
リコは、横に首を振った。
「お、お店の、人に、され、ました」
「まぁそれはどっちでもいいけど。出来れば一人でやってくれない?」
手伝った方が良いのかもしれないが、店の従業員が商品に手出す位だから多分暇なんだろう。
なら別に時間が掛かっても良いだろうと、掃除に意識を戻、そうとした。
「な、で、ですか?僕、僕、シャワーが、な、で?何で、です、か?」
「今忙しいんだって。大体さっき自分で出来るって言ってたじゃん」
「あ、ぅ…何、してる、ですか」
諦めたのか、シャワーを出して浴びながらそう聞いてくる。
「掃除。ったく、この虫何とかならねぇかなぁ。良い方法とか知らない?」
ぶちっ
また一匹殺した。また一匹出て来た。
「…知って、たら。シャワー、して、くれ、ますか?」
早くも震え始めた声で、リコが言葉を紡いだ。
「お前どんだけシャワーして欲しいの。まぁその位なら全然いいけど、知ってんの?」
「ぼ、僕、知って、ますっ。モップとか、置いてあるとこに、確か、えと」
「そこならもう見たけど?」
「ば、バケツの、中も、ですか?」
「バケツの中?」
んー…確かひっくり返して置いてあった気がするけど、その中?
「虫とか、の、殺すのが、あったと、思い、ます」
「まぁ見て無いっちゃ見てないか…ん、ちょっと見てくる」
「あ、あっ、シャワーっ」
「とりあえず見てからな」
しょんぼりとうなだれたリコを尻目に、用具倉庫へと向かった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
7 / 48