アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
7
-
「ルイ…お願い…」
「ごめんなさい…ごめんなさい」
ルイがイヤイヤと頭を振る
どうして…?
「ルイのいう、安心は好きの安心じゃないの?」
「そうじゃなくて…違うの…違うけど…ごめんなさい」
「ルイ…?」
「僕を愛してくれてありがとう…でも…僕はそれを返せないよ…」
「なんで?」
ルイが自分から離れる
俺は名残惜しく頬に指を滑らせる
泣きそうで泣かないルイの表情は幾度なく見てきた
必死に出ない涙を堪えている
潤まない金色の瞳
綺麗…なんて…残酷な色をしてるのだろう
「僕は…普通じゃない…アーネストさんと同じ言葉を返せるほど…僕は許されていない…」
「誰がルイを許すの?」
困った顔をしたルイは俺の手を取った
「ルイ…?」
「帰ろう…アーネストさん、シャルさんも心配してたの…」
話をはぐらかされたのだろうか
どうして、何もかも抱え込もうとするのか
俺に一緒に持たせてはくれないのか
「ルイ…ふふっ帰ろうか」
「…はいっ!」
仕方がない
ルイが話せないと、言うなら俺には待つ時間がたくさんあるのだ
ルイの一生は俺の1日だ
嬉しそうに俺の手を握るルイを見て思った
ヴァンパイア、それは長い長い時間を生きる
ならば、人間の隠し事の有効期間が切れるぐらいにはゆうに超えるだろう
「ルイ…好きだよ、ルイが言えないのなら俺がいっぱいあげる」
「…」
「好き、愛してるよ」
「アーネストさん…」
「嬉しそうな顔してよ、ルイ」
ルイが歪めた目の目尻を無理矢理下げ不恰好な笑顔を作る
綺麗な笑顔
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
40 / 103