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好きなのに (浮気×平凡)
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「んでさー、…あれ?稔(みのる)、アイツってお前の彼氏じゃね?」
「…だな」
友達と歩きながら談笑してると、視界にアイツが入ってきた。
楽しそうに友達と喋ってる……腕に女の子を絡ませながら。
「また女といるな。何回目だよ」
「さあ。」
「…辛くねぇの?」
「慣れたし大丈夫。」
だって相手はあの溝口雄馬(みぞぐちゆうま)
俺の通ってる大学の1番のイケメン。
そりゃー女にモテまくりですよ。
なんでアレが俺なんかと付き合ってるのか、俺でも疑問に思います。
遠くからみてたはずなのなの、
ある日突然雄馬から告白された。
当然パニクる俺。
女との付き合いもそんなないのに、男となったら断るしかないでしょ。
そう思った俺は断った。
だけど、一緒にいたら俺の事好きになるかも!!なんてそいつは言い出した。
暇だし、わかったと返事をした。
案外、雄馬との時間はすごく楽しくて、俺もいつの間にか雄馬の事が好きになっていたのだ。
また告白されて、即オッケー。
2人で同棲したし、ついにバラ色生活が始まった。
だが、その楽しい時間はあっという間に終わった。
雄馬は浮気をするようになった。
理由はわからない。遠まわしに聞くと、それを流すかのように「好きだよ」「稔だけだから」なんて言ってくる。
やっぱり好きだから浮気を許した。
もうやめると思ったのに、翌日になれば友達の目撃情報でまた浮気してるのを聞いた。
泣いた。またされた。裏切られた。
直接問い詰めた。
だけどまた流された。「愛してる」なんて言われた。嬉しかった。
だからまた許した。
二度あることは三度ある。
いや、三度…以上された。
別れようとした。
だけど別れられない俺。
情けないけど、そんくらい雄馬(ゆうま)の事が好きなんだ。
離れたくない。だから俺は知らんぷりするしかない。
「ふうん…俺だったら好きでも別れるわ」
「まじ?めっちゃ好きでも?」
「自分が好きでもさ、相手が自分のこと好きじゃなかったら切なくね?」
言われてみればそうかも。
雄馬って俺のこと好きじゃなくなったから浮気を何度もするのか?
そうかもしれない。
俺はこんな傷ついてるのに、雄馬は平気で浮気をする。
目が覚めて、女の子に走ったかんじ?
まあ、男女の恋愛のほうが正しいけどね。
ぼーーっとそのことについてずっと考えてたら講義が終わってた。
あ、今日バイトだ。
カバンを持ち大学から少し離れたファミレスに向かった。
おーっし嫌な事はバイトで紛らわしてやる!
なんて、意気込みをしたのに…
2人の客が店に入ってきた。
1人はすごく美人な女性。
1人は俺のよく知ってる人。
「……雄馬」
俺はとっさにキッチンに隠れた。
なんでいるの?なんで女の人といるの?
浮気は慣れた。
慣れたけど、
なんで…雄馬、俺のバイト時間把握してるよね?
知っててここに来たの?知っててここで浮気するの?
…まるで
中々別れてくれない俺に対するあてつけ。
お前なんか好きじゃないって言われてる感じがする。
…もう、好きじゃないんだ。
「店長すみません…、気分悪いので休憩室で休んでいいですか?」
「あら、稔くん大丈夫?顔色ものすごく悪いし、今日は帰ったら?」
「ありがとうございます。シフトの事はまた電話します。」
バイト仲間に挨拶し、裏口から出た。
俺と雄馬の家に帰る。
少ししか時間経ってないしきっとまだファミレスにいるはず。
誰もいない家にただいまといって、2人の部屋にはいる。
「…香水くさい」
知らない女の匂い。
今日ここにも連れて来たわけ?
それでわざわざあのファミレスにいったってこと?
「…はは、俺1人で馬鹿みたい」
相手が俺のこと好きじゃなくなった。
もう付き合ってる意味はない。
認めよう。もう終わりだ。
不思議と涙が出なかった。
きっとわかりきってたことなんだ。
ポケットから携帯を出して友人に電話をする。
コールが二回鳴って友人は出た。
『もしもし』
「…なあ、今日泊めて?」
『…いいよ。ちょーど家にいる』
「 すぐ行く」
何も聞かないでくれた。
ありがとう。感謝でいっぱい。
あとでビール買ってあげなきゃ。
持っていくものを準備してあたりをみまわした。
「ここではいろんな事があったなあ」
思いでがたくさんあって、思い出すたびに胸が苦しくなる。
この家にはいれない。いたくない。
もともと雄馬……溝口の家だから俺が引っ越さなきゃ。
携帯を再びいじって溝口とはもう連絡とらないと思うからアドレスはもう消そう。
着信拒否もして念の為メアドも変えた。
携帯をポケットにしまって
「いい物件ないかな」
そう言いながら俺は家を出た。
20分かけて友人の家についた。
インターホンを鳴らせば出迎えてくれる。
中に入り早速缶ビールをあけて乾杯する。
さっきの出来事を打ち明けた。酔っ払ったせいか涙が出た。やっぱり悲しかったんだ。
そんな俺をみた友人は笑って「俺んちに住む?」なんて言われて再び俺は泣いた。
その言葉に甘えて俺はここに住むことになった。
だけど、お金が貯まっていい部屋みつけたらすぐ引っ越すつもり。めいわくはかけられないしね。
友人の家に居候させてもらって数日がたつ。
あの家に行きたくなくて放置してたけど、
そろそろ荷物とりにいかなきゃな。
今日の講義はもうないし、この時間帯はいつも溝口は出掛けてるからいないだろう。
たった数日みてないマンションが懐かしくみえた。
意を決してまだ返してない鍵を使い、家の中に入った。
懐かしい匂い。俺が出たときから何も変わってなくて生活感を感じなかった。
溝口が帰ってくる前にさっさと荷物まとめなきゃ。
靴をぬいでリビングにはいる。
「…み、ぞぐち」
そこには久しぶりにみた溝口がいた。
「……どこ、いってた」
「え?」
「どこいってたんだよ!!」
「!」
怒鳴る溝口に体が強張った。
溝口とは喧嘩したことあるけどこんなに怒鳴るのはみたことなかった。
「なんで…っなんでいなくなるんだよ!!俺メールしても電話しても繋がんないし、大学で探しても探してもいなかった!!!俺、どれだけ…ッ」
「溝口…」
「…!なに、その呼び方。雄馬だろ?いつも雄馬って呼んでただろ?!」
「…」
「なんとか言えよ稔!」
意味がわからない。なんで俺は怒られてるんだ。
…溝口が、溝口からこの関係を壊したくせに俺が悪いみたいになってんの。
俺は何も悪くない。
「もう、…うんざり」
「あ?」
「俺はお前と別れる。つか別れた。」
「…稔?」
俺の様子がおかしいことに気づいた溝口。
「お前の浮気はもうみてらんない。俺だけ一方的なのも気に入らない。お前から告白したくせに簡単に知らない女んとこ行ってさ、…俺と別れたかったなら直接言えばよかっただろ。惨めな俺をみれて楽しかったか?惨めな姿をした俺にさせることができて嬉しかったか?」
「み、のる」
「俺とお前は釣り合わないし、なんでオッケーしたのか自分でも思うわ。だけど後悔してない。お前と一緒にいて毎日が楽しかったからだ。
俺もちゃんとお前の事を好きで、俺も愛されてすごく幸せだったから。
だけどそれはもう終わり。もう無理なんだよ。」
俺、こんなに思ってたんだ。
「お前とは二度と連絡しないつもり。あと二度と会わないつもりだから。
最後のアイサツできて嬉しいよ。
さよなら。」
最後まで言えた。
なんだかスッキリした気分。
ここまで言ったらカッコよく家を出なきゃじゃん…。
荷物、また今度でいっか。
せいせいした気分でリビングから出ようとした。
「ま、待って稔!」
声だけでも分かる。
溝口は泣いてる。
「お、れ…もう浮気しないから…俺には稔しかいない。だから行かないで…みのるッ」
……今更。
「溝口、それは一時期的な感情だろ。一緒に住んでた…知り合いが出てくからさみしいだけ。」
「み、稔は知り合いじゃない!!恋人…だ」
「そこは《だった》だろ。誰かいい人を探して。俺らはお互い幸せになるんだ。」
「やだ、やだやだ!!稔と幸、せになるッ」
駄々こねて、泣きじゃくる溝口の姿はさっき怒鳴ってた姿と大違い。
泣きじゃくっても俺の気持ちは変わんない。
俺たちは不釣り合い。
だから簡単に壊れる。
「もう俺行くから。元気でな」
「稔!!!」
溝口の声は聞こえたけど、返事せずに家のドアをしめた。
この家にもお世話になりました。
辛いことを乗り越えて
俺はまた前に一歩踏み出せた気がする。
END
「稔、迎えにきた!」
「え、ごめんごめん!遅くなった」
「待ってねーよ。行こうぜ俺たちの愛の巣へ」
「馬鹿。キャラ崩壊してんな」
「えーだって念願の稔と付き合えることができたしさ!」
「そんな嬉しいか」
「あったりめーよ」
そいや、俺新しい恋人できてたんだよね。
友人のあいつな。また男です。
幸せだから男とか女とかは関係ない。
そう俺は学んだのだ。
END2
*
浮気系好きなんですけど、これちょいと失敗しました(~_~;)次挽回する!!
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