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隣の佐藤くん ① (美形×平凡)
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自分でいうのもアレだが、
俺の顔は元有名モデルの母親譲りで
スタイルや肌の白さはヨーロッパの血と日本人の血を受け継ぐ父親譲り。
この2人から生まれたせいで
俺はイケメン……らしい。
まあ毎日女の子に囲まれれば自覚はする。
バレンタインチョコなんて毎年軽く100個はもらえる。
自分だけの学校じゃなくて、他校の女子生徒に待ち伏せされ告白付きのチョコレートもあった。
おかげでバレンタインデー、いや、チョコが嫌いになった。
「ねぇ、湊(みなと)くん今日あたしたちとカラオケいかなーい??」
「スイーツ食べ放題券もらったの!あたしと行こうよー!」
「ちょっと!あんたたち今週は私の番よ!」
女に囲まれるのは悪い気がしないが
さすがにみんなの相手するのはきつい。
だから誘われたら営業スマイルで軽く流す。
「ごめんね、俺今日友達と勉強会あるんだ。」
甘い顔をすれば女なんてすぐに了承する。
顔がいいって得だな…。
女の群れをかきわけて窓際にある自分の席につく。
内心、はぁぁぁあって大きなため息をつき頬杖をする。
すると、となりから声をかけられた。
「む、室井(むろい)くん、今日もモテモテだね」
「…あー、うん」
……なんで席ついちゃったんだろ。
もうちょい群れにいればよかった。
内心二度目の大きなため息を吐いた。
その理由は…
この隣の佐藤太郎(さとうたろう)というありがちな名前の持ち主は、
……俺のことが好きらしい。
直接告白されてないが、様子からして明らかに俺を囲んでいた女子たちと一致する。
「今日も嘘の用事をついたの?」
「まあね、だけど本当に勉強するよ。一人で」
「え!じゃあ一緒に勉強していい?!」
「…」
ほら、みてよ。このキラキラした目。
この目がただの憧れだったらいいんだけど、目元は赤いし、
なんだろ…相手にもわかるほど好き好きオーラがわかる時あるだろ?
まさにそんな感じ。
「じゃなくて、ウッチーとするんだったわ」
「ぐえ?!」
ちょうど後ろの席でぐっすり寝ていた友人の首に片腕をまわした。
少し強めに締めてみた。起こすために。
「あ…そうなんだ。わかった」
悲しそうに佐藤は笑って席から離れて友達の元へむかっていった。
よし、なんとか逃げれた。
「あーあ。太郎ちゃん可哀想に」
「…うるさい。こうするしかなかったんだ。」
さっきのやりとりをみてたウッチー兼内舘(うちだて)は、俺を責めるような目でみつめた。
「なんでー?あんなわかりやすい好意なかなかないよ?」
「男にそんな好意もたれても嬉しくない」
「えー、太郎ちゃん可愛いのに。」
ウッチーとは男友達の中で結構仲がいい。
そして唯一俺が佐藤に好かれてることを知っている。
「可愛い?佐藤って良くも悪くもない容姿だと思うけど」
「小動物みたいで可愛いよー。太郎ちゃんならいけるわ」
「お前はバイだからいけるかもしんないけど、俺はノーマルだから。」
「ふーん、太郎ちゃんが諦めたらもらおーっと」
「勝手にしろ」
嬉しそうにニヤニヤするウッチーに冷めた視線を送ると、
ちょうど鐘が鳴り先生が教室に入ってきた。
佐藤が何故俺に好意を持ったのかわからない。
うちのクラスは、結構美人が多いクラスで有名だから女に困らないと思うし、
…まあ一部、俺のせいで彼女ができないやつらがいるらしいけど…。
だけどそれで男に走るってのもないしな…。
そもそも佐藤はただのクラスメイト以外俺と関わりなんてない。
席が近かったことは数回あるが、しゃべったことなんてなかったし。
だけどいつからか突然挨拶してくるようになり、話しかけてくるようになった。
最初は不思議なやつだなって思っていたが、だんだんと様子に不審に感じ
俺に対して恋愛感情をもっていると確信したのだ。
その感情に偏見するつもりはないが、やっぱり男は受け入れられない。
が、拒否するのもアレだし…
だから俺は拒否でも受けとめることでもなく、さりげなく逃げるようにしている。
多分だけど一時期の感情だと思うから、
早く飽きてくれることをただただ願う…。
***
次の日。
「室井くん、おはよう!」
「おはよ」
「今日室井くんの好きな作家の新刊発売だね!」
「ああ…そうだね」
あれ、好きな作家の名前言ったっけ…。
ああでも俺、いつも読んでる本って好きな作家のやつしか持ってないからか。
***
また次の日。
「室井くんおはよっ 昨日のドラマみた?」
「はよ、ああ…寝ちゃってた」
「もったいない!面白かったんだよー」
笑顔でそんな事言われてもドラマなんて興味ない。
俺は聞いてるフリしながら右から左へと聞き流す。
***
そしてまた次の日。
「室井くんおは!駅前にラーメン屋できたんだって!」
「へえ、そうなんだ。お腹空いてきたな」
「今学校来たばっかなのに!」
俺の発言がそんなに面白かったのか、佐藤は一人ゲラゲラ笑っている。
ツボわっかんないなあ…。
***
と、まあこのように毎朝話しかけてくるわけ。
俺と話してて面白い要素とかないのに、コロコロ表情変えていつも楽しそう。
佐藤って本当謎。
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