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付き合うと言っても何も目立つようなことはなかった。
デートとか一緒にご飯行ったりとか...
じゃなくて
ただ1日のことを話しながら2人で楽しく帰って...
手を繋いで帰った。
やっぱり屋久土さんにはドキドキさせられたけど
サキさんは全然普通で
他の人を好きになることはないんだなと自覚した。
けどサキさんはいつだって真剣だった。
「有沢さん」
「ん?」
「好き」
表現もストレートでずっと休みの日は傍にいてくれて
「ねぇ有沢さん?」
「ん?」
「嘘でもいいからさ俺のこと好きって言って?」
たまに少し悲しそうな顔をしてそんなことを言うようになって
「...好きだよ」
「有沢さんっ」
そのたび強く抱きしめられる。
そのたびにどんどんサキさんを傷つけていると考えると涙がこぼれ落ちそうになる。
そんな日が続いていたためか、サキさんも僕も限界が近付いていることに気付いたのは
「ちょっといい?」
李斗くんと龍翔くんだった。
「お互い無理してない?」
「なんで俺が無理しなきゃいけないんですか?」
龍翔くん...
「もう分かってんだろ、サキ」
「はぁ?李斗まで何なの?お節介にもほどがあるよ?」
「俺は昔からお前にお節介だ。ただ1つ言ってやる。お互い辛いんだったら、サキ手放せ」
李斗くん...
2人共僕らのことわかってたんだ。
それでもサキさんは
「嫌だ......っ」
「サキ」
「俺はやっと有沢さんを俺のものに出来たのに...何でだよ......何で俺があんな奴のために有沢さんを手放さなきゃならないんだよ!?俺は!有沢さんをあいつ以上に大切にしてる!!俺は...本当に......有沢さんが好きだからっ」
諦められずに泣いてしまった。初めてサキさんの涙する姿に僕も涙した。
こんなに想っていてくれているのに僕は
答えられなくて...
「サキさ...っごめん......ったくさん、助け、てもらったのに...」
「有沢さん...」
「いっぱい...いっぱ、い......傷付けて、ごめんっ」
「有沢さんっ」
お互い泣きじゃくって抱きしめあって
苦しかった分全部ぶちまけて
僕とサキは正式に別れた。
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