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最寄りから2駅ほど離れたところで拓海と歩と別れ、桃ちゃんや美馬さんとも別の方向へと帰る…はずが。
「イヤよっ!!!あたしはリカのところに帰るの!」
「黙れ。お前は俺が連れて帰るんだよ」
「どうせトランクに押し込むんでしょ?!
この外道!鬼畜ッ!!あたしを何だと思ってんのよ!」
「煩くて迷惑なオカマ」
「即答!!」
帰りたくないと駄々をこね、リカちゃんの車にしがみつく桃ちゃん。
それを引き剥がそうと何度も蹴っている美馬さん。
これを端から見てる人はどう思うだろうか。
運転席に座ったまま、のんびりとタバコを吸うリカちゃんは慣れたものだと思う。
「リカちゃん……どうすんの?」
「どうもしねぇよ。それよりスーパー寄って帰らねぇと何も無いよな」
「それなら明日のパンも買わないと…」
「牛乳と卵もな。晩は何が食べたい?」
「昨日が和食だったから洋食がい「ちょっと!!」…い」
半分連れられかけている桃ちゃんが非難の声をあげる。
「人が必死に頑張ってんのに、なんで夫婦みたいな会話してんのよ?!」
「だって夫婦だし。それも新婚な」
表情を一切変えずに答えたリカちゃんはさすがだ。
その言葉が本気なのか冗談なのか全くわからない。
「澄ました顔でボケてんじゃないわよ!!」
「ボケてねぇよ。俺は愛しの奥さんの世話で忙しいの。
クソ迷惑なオカマの相手なんてしてる暇ない」
愛しの奥さん……ってアホか。
隣に座る俺はもう呆れて何も言えなかった。
というより巻き込まれたくなかった、が正しい。
「きぃぃっ!!羨まし…じゃなくて憎たらしい!
あんた親友を売る気ね?!」
「え、豊買ってくれんの?あざーす」
「こんなんタダでもいらない」
「あたしの扱い!!!」
お馴染みの会話はテンポ良い…が、今はやめてほしい。
なぜなら激しく目立ってるからだ。
できるだけ人目につかないよう、小さくなって隠れた俺の頭をリカちゃんが撫でる。
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