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「あ、そうだ。悪いけど今日は晩飯作れねぇから自分でなんとかしろよ。遅くなると思うから勝手に寝てて」
「え…なんで?新年会?」
マズった。普段の俺なら理由なんて聞かない。それなのに咄嗟に聞いてしまった。
「違ぇよ。今日ウチに人来るんだよ…さっきいきなり連絡きてマジ面倒くせぇ」
人って友達だろうか?それとも…彼女?
リカちゃんなら女なんて黙ってても向こうから寄ってくるだろうし、きっとモテるはずだ。
っていうか、なんで俺はリカちゃんに相手がいるかもって考えなかったんだろう。
一緒に寝てるから。一緒に寝てるから。それだけの理由でいないって決めつけてた。
「あー……話してたら電話来たし。返事ぐらいおとなしく待てねぇのかよ」
ハァ…とため息を付きリカちゃんは迷わず電話に出た。
「はい。うっせぇな仕事中だったんだよ。
あぁ…まぁ見たけど…お前いきなり過ぎんだろ」
俺はここにいていいのか?そう思うけど、聞かれてマズい電話ならリカちゃんは出ないか俺を教室に戻らせるはずだ。
だから俺は黙って渡されたジュースをちびちび飲む。
「あ?そんな遅くなんなら別に今日じゃなくていいだろ。…知るかよ。俺は明日も仕事だっつーの」
その口調から相手にリカちゃんが電話の相手に気を許してる事がわかる。
一体誰なんだろう。どんな関係なんだろう。
その答えは次のリカちゃんの言葉で返ってきた。
「あーわかった、わかったから電話口で騒ぐなってば。マジうっざ。桃が来る時間に合わせて駅まで迎えに行ってやるから。じゃあな」
桃さん? 桃ちゃん?
……どっちでも一緒じゃん。
駅まで迎えに行くほどの相手。それは、きっとリカちゃんの『特別な人』だよな?
「マジあいつ面倒くさいわ。っつー事で今夜は寂しい思いさせるけど悪いな」
なんでそんな平然として言えるんだ? 俺がただの隣人で、ただの生徒だからか?
「その分、明日嫌ほど可愛がってやるよ」
イライラする。
ムカムカする。
顔も声も何もわからない『桃』に嫉妬してしまう。
「ウサギ?」
「…………ッ! 気安く触んなっ?」
伸びてきたリカちゃんの手を払いのけ、俺は部屋を飛び出した。
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