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プロローグ 1
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「特別出演リョウタ役、葦原颯(あしはら はやて)君入りまーす!」
「よろしくお願いしますっ!」
あれは、俺がまだ9歳の時だった。
8歳の時に子役でデビューして、ドラマでの演技力やバラエティーでの愛敬がウケ、俺はデビュー早々「人気天才子役」という類になった。
その後、舞台や映画。アニメの声優など流れるように仕事が入ってきた。
順風満帆?
そんな何もかも上手くいっていた俺にもっといい事があった。
戦隊ヒーローのドラマの出演。
「颯君!今日はよろしくね!」
「はい!こちらこそよろしくお願いします!」
「うん!オジサン颯君大好きだから、このリョウタって役も台本書くオジサン達と話し合って、特別!作った役だからね!期待してるよ!」
このドラマのスタッフさんは監督や脚本家さん、ほとんどが俺のデビューした作品のスタッフさん
だった。めっちゃやりやすい。
「最初のシーンはね、リョウタが敵に捕まってて、レッドがリョウタを助けに来るシーンから!レッドは…あの人!久我くーん!」
「はいっ!!」
監督が大声で久我という人を呼んだ。
すると、赤いヒーローがこっちに走ってくる。
「えっ…。」
「あははっ!久我君、この子が今大人気天才子役の葦原颯君!…久我君ヘルメット!!」
カレジャーレッドだ…!!
9歳と言ってもまだ小学生だった俺はヒーロー戦隊には憧れが凄くあった。彼がヘルメットを外すまでは…。
「あっ… ガコッ …久我鳥大我(くがとり たいが)です。監督、久我君って読んでますけど、久我鳥ですからね?」
「…。」
レッドが頭を外すと頭が…。
変身前と顔が違う…。
その時9歳の俺の心はパリンッと音を立て現実を知らされた気がした。
若いお兄さんって感じだ。
高校生かな…?
これが俺と久我鳥さんとの出会い。
だけど、久我鳥さんを好きになるのは、もう少し後の話。
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