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ソファーに座って海外の映画を見ながら、コンビニのカップアイスを口に運ぶ。
その横でまきまきが棒アイスをかじりながら、俺の顔を覗き込んで言った。
「サンタって鬼塚と仲いいの?」
「うーん。そりゃまぁいつも二人でおるけど特別仲いいわけちゃうなぁ。親同士が仲よく会社経営するために俺らも仲良くないとあかん⋯⋯みたいな?」
「かいしゃ!サンタは前から金持ちだと思ってたけど、親は社長かなんかなの?」
「せやねん。りゅーくんの親も社長で、俺の親父も別の会社の社長。」
「へー。」
「りゅーくん家も俺ん家に負けず劣らず金持ちやで。高校生が贅沢な事に二人暮らし出来てるのもそのおかげね。」
「そう⋯俺も家賃とか払わなくていいのかなって思ってたんだけど⋯」
「ええやろ払わんでも。あっちの親が好きで払ってんねんから甘えとったらええねん」
別に好きで一緒におるんとちゃうわ。
可愛いなーと思ってた女の子取られるし、そのくせすぐポイするから余計腹立つし。
「俺も自分の家欲しいって言うたら買ってくれるかなーァ」
「お父さんに?」
「そーそー。」
健全な男子高校生には、一人になりたいときだってあるのです。
出来ることならりゅーくんみたいに親の目から離れたところで生活したい!夜中にコンビニとか行って好きなお菓子買いまくって好きなテレビ見て好きなように暮らしたいっ!
「まきまきは一人暮らししたいとか思ったことないんー?」
「えっ、」
「あの家居心地悪いやろー?どーなん?健全な男子高校生よ」
「えと、俺は⋯⋯」
いつもの調子で、ほんまに悪ふざけで聞いただけやったのに。アイスを食べる手を止めて、じっと手元を見つめ、頬を赤く染める。
「今の家⋯⋯も、そんなに、居心地悪くない⋯⋯かな?」
「⋯へぇ。意外。」
ムカつく。
居心地良いわけないやんあんな横暴な奴と住んでんのに。今日かてどうせアイツに雨ん中追い出されたんやろ。
ほんっっっま、おめでたい頭しとる。
「まきまきさーぁ、」
「ん?」
「俺がもしオトンに一人暮らししていいよって言われたらさーぁ」
「うん」
「一緒に住もっか。二人で。」
「⋯⋯は?」
もちろん本心じゃないけど。
でも、口が勝手に動いてた。
男と二人で住むとか、反吐が出るほど嫌なはず。
「あの、サンタさん俺今すっげビックリしてるんだけども」
「ほほほ」
「すごく⋯⋯その、意外というかなんというか、」
「何が?」
「その、サンタは⋯⋯
⋯サンタは俺のこと、嫌いなんだと思ってたから」
⋯は?
「⋯⋯俺が?」
「うん」
「まきまきを?」
「う、ん」
「なぜや。何でそうなるんや」
いやまぁ当たりなんやけどな。嫌いやで君のこと。
けど何でやろ。どこでバレた?演技には自信あんのに。
「⋯なんとなく。優しいけど、なんとなーく。あー、俺嫌われてるなーって。」
「⋯⋯へぇ。そっか。」
そんなん、俺に嫌われてるって分かってながら俺の家来たことになるやん。普通そういうの気まづくて行かんよな?
ってことは、考えられんのは一つだけ。
まきまきは、俺に嫌われててもなんも感じてないってこと。
俺に嫌われたところで、どうってことないということ。
まきまきの頭ん中は、りゅーくんでいっぱい。
りゅーくんが好きってことで、いっぱいなんやろうな。
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