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まき side
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起きた実感がわかないけど、いつの間にか立たされて、目の前には半裸のサンタがいて、そんで何故か鬼塚がいて。
訳が分からず、「夢なら覚めろ」と目を擦る。でもこの殺気は間違いなく鬼塚だし、どうしよう。なに、この状況。
「⋯帰んぞ。」
「えっ、あ、」
鬼塚に手首を掴まれ、強引に連れていかれる。
怖くて、心臓がきゅうって縮こまる。
「まきまき、」
靴を履いてると、後ろからサンタの呼ぶ声がして、振り向くといつも通りの笑顔でサンタが立ってた。
「なに、さんた」
「また来てなぁ」
ひらひらと陽気に手のひらを振る姿はいつも通りで、俺はなにか言おうとしたけど言葉が出なかった。
「あっ!そうそうまきまきのこと嫌いって言うたん、あれ取り消しといて。」
「えっ」
「あれ嘘やし。普通にええ友達やと思ってるよ」
にこ、と笑う。いつもよりも、作り物っぽく。
らしくない事言うからビックリしてサンタの顔から目が離せなくて、それでも鬼塚が俺の手を無理やり引っ張るから、どうにか一言でも言い残そうとして、
「あっ⋯⋯り、がとう⋯」
玄関の外に足を踏み出し、扉が閉まる瞬間に、
「ははっ!なんやそれ」
って、吹き出すように笑った声でサンタが言ったのが聞こえた。
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