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手紙の返事書いてから四日も経つのに、誰も来ませんね。
お隣さんも退院しちゃったし、話し相手誰もいなくて暇ったらありゃしないわ。
最近の暇つぶしといえば、ロビーにある椅子に座って、置いてある漫画読み漁ったりするくらい。
売店に行きたいけどお金も無いし。
ほんと、何かないかと廊下ひたすら歩いてると看護師さんに変な目で見られるというか...退院はいつになるんだろうか。
「.........あ」
丁度、病室に戻ろうとした時だった。
一階のロビーで雑誌を読みながらくつろいでるあの人、もしかして前面会に来た不良さんじゃね?
机の上に足を乗っけて読む行儀の悪さと言いますか、ほんっと外見相当だな。
「.........あっ!て、手紙、」
え、どうしよ俺今あの手紙持ってない。一旦病室まで取りに行って、そっから一階に降りて届けに行くか。
走っていかないと帰っちゃうかもしれないし、何より話し相手が来たようで嬉しくて自然と歩調が早くなった。
スリッパが脱げないように慎重に走って病室へ戻り、手紙をポケットにしまってまた走る。
エレベーターを待つ時間も惜しかったため階段で。
寝たきりだったからか、15mくらいしか走ってないのに息があがってきた。
こんなしょうもない返事しか書いてない手紙渡すためだけに走って、馬鹿じゃないのかと思ったりもしたけどね。
せっかくお喋り出来る人に逢えるんだからそりゃワクワクもするでしょうよ。
「......っは、はっ......はぁっ...!......ふふっ、おれ、体力無さすぎ...っ、」
あ、よかった、不良さん帰ってない。
間違ってないよね?あん時の不良さんだよね?金色メッシュに見た目不良。話しかけるのは......
...ちょっと、ドキドキ。
「......あのっ、すんません!!」
俺が呼ぶと、
ゆーっくり、そして不機嫌そうにこちらを向いて、わざわざ眉間にシワまで作って一言。
「...は?なに。」
「えとですね、前に俺んとこに手紙届けに来てくれた人ですよね?」
「そうだけど」
「あの、返事......書いたんです。
.........渡してもらえますか?」
「めんどい。」
おぉっふ......
「つかさ、なに息切らしてんの?汗だらっだらなんだけど。」
「え?あ、すいません...」
「...かせ。」
「はい?」
「......手紙、貸せっつってんの。」
「あ、りがとうございます。」
「ん。」
俺の手から手紙をとると、だるそうに立ち上がって俺をじろりと睨みつける。
「......なに。」
「はい?」
「ジロジロ見んなキモイから。」
「......みっ、見てないです。意外と背ぇ高いなぁって思っただけです。」
「はぁっ......うざ。」
なっ!!?何なのこの人!!ウザイとかキモいとか言わないと気ぃすまないの!?
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