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ベル君お持ち帰り…っていう事はできないらしい
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「なんでってそっちの方が効率いいじゃん? 俺も帰れるし、ベル君もご飯とかに困らない。はい、一件落着」
肩をすくめながらそういうと、目の前の男は涙をためながら俺にすがりつく。
……正直、気持ち悪い。
「……ベルホントは良くてなんで俺はだめ……?俺も連れてって……お願いだ」
しくしくと涙を流しながら俺を見上げてくる。
――うん、可愛くない。と一括してやりたいところだが、なんだかそう泣きつかれると俺もそこまで意地悪じゃないし、連れてってやってもいいかな…なんて。
「金ならある!家も広いし……なあ、このままここに住めよ……」
男は家を見回しながら訴えるようにそういった。
――なんだか可哀想だな。
俺はそう思って、しゃがみこんで目線を合わせながら男の顔を見た。
よく見ると本当にイケメンでこんな残念な性格が可哀想だなと思いながら、イケメンの涙をティッシュでぬぐってやった。
「あーもう、わかったよ。いればいいんでしょ。世話するよ、あんたのこと」
そういって諦めてやると、彼は満面の笑みを向けながら俺にまた抱き付いたのである。
少しその時の笑顔が幼っぽさがあって、生意気にさっきまで俺に命令とかしてたからギャップがあって可愛いなんて思ってしまう。
――可愛いだなんて。
俺は何を思っているのだろうと少し自分があほらしく思えた。
「で、あんた名前は?」
肩をすくめて俺の目の前にいる男に聞くと、
「近衛義彦だ。」
と自信満々な顔で答えてきたのだった。
「義彦さんね、俺は桃原桂、よろしくな」
俺、桃原桂、十六歳の初夏、初めてあった男と同居します。
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