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二度目の告白にしおりをはさみました!
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二度目の告白
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<54、二度目の告白>
孝太郎の肩を少し押して、少し距離を取る。
「きょ、今日はここまでで……」
キスが気持ちよすぎて少し怖い。それにさっきから深いキスをするたび腰に熱が溜まり、ほとんど半勃ちになっている。
これを孝太郎に知られて、引かれたらどうしよう。そんな思いに理性を突き動かされ、名残惜しく唇を離した。
「ん、わかった」
じゃあ寝ようか、とあっさり引き下がった孝太郎にちょっと驚きながら、瞼に落とされた唇を甘んじて受ける。
欲情してしまった自分を知られたくなくて、俺から距離を取ったはずなのに無性に寂しい。下半身の熱も収まる気配がなく、むしろ少しずつ燃え上がっていくような錯覚を感じる。
触れてほしいけれど、はしたない自分を知られたくない。
矛盾する心にはあ、とため息を零し、もどかしいまま放置された熱をどうにかしようと思い部屋に戻ろうとする。
立ち上がりかけた俺を孝太郎は不思議そうに見やる。やっぱりまつ毛長いなーと考えていると孝太郎がきゅっと手を掴んできた。
「どこ行くの」
「え、だって、寝るんだろ?」
「ここで寝ればいーじゃん」
拗ねたように声に甘さを乗せる孝太郎。いつもよりも言動が幼くなっている幼馴染にも驚くが、その言葉にも酷く驚いた。
「なんで?」
「せっかく二人きりなんだし、恋人っぽいことしたい」
恋人。
明確に言葉に出された単語に狼狽えながら、きょろきょろと辺りを見回す。
そーいう、事になるのか? 確かに孝太郎の告白を聞いて、俺も好きだと返したけど……、それで付き合う事になるのか。付き合って下さいとかないのだろうか。
「俺たち付き合ってる、の?」
「……お前、付き合ってないのにキスしたりすんのか」
肺の空気を全て吐き出すように大きく息を吐いて、孝太郎は俺に向き直る。
「樹」
「なに?」
「好きだよ。俺の恋人になってくれる?」
二度目の告白をされ、また頬が熱くなる。二度も告白をさせてしまったなと申し訳なくなりつつ、はいと頷く。
「フツツカモノですが」
「本当に嫁にするぞ」
冗談になんだか不穏な言葉を吐かれながらまた軽いキスをする。
言わせてしまった手前こんな事を思うのも申し訳ないが、告白というものは何回してもらっても嬉しい。
「じゃあ、一緒に寝よ」
「……ん」
下半身に集まった熱をどうにかしてから寝たかったが、孝太郎と一緒のベッドで眠る誘惑の方がなんだか魅力的なような気がして、ばれなきゃいいかといい加減に考える。
照れ臭くなりながら今度こそ立ち上がろうと足に力を入れる。しかし、立ち上がった瞬間、かくりと膝が折れ、ぺたんと尻餅をついてしまう。
「樹!?」
「え、えっ?」
突然の事態に目を白黒させながら、立ち上がろうとするも足に力が入らない。
「樹? どうした、具合悪い?」
「い、いや……」
俺の脳裏には一つの考えがぱっと浮かんでくる。
さっきのキスで、腰が抜けた。
(う、うわあ……まじか……)
これは知られたくない。恥ずかしい上に経験のなさを示されたようで悔しい。
過度に心配する孝太郎に少し足がしびれただけだと返す。内心、また疼き出した熱にどうか気づかないでと祈りながら。
「ほんとに大丈夫か?」
「平気だってば。……じゃあ、おやすみ」
ベッドの壁側にごろんと横になり、孝太郎に背を向ける。孝太郎は一度立ち上がり電気を消してからもぞもぞとベッドに潜り込んできた。
お互い何も言わない。壁掛け時計の針の音がカチカチと大きく聞こえる。
そこら中から孝太郎の匂いと、後ろには本人の温もり。
眠れるかなあ、とぼんやり思いながら瞼を閉じた。
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