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上に行く箱にしおりをはさみました!
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上に行く箱
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シーーン
さっきまで1階の受付ではワンワンと、有線が流れ、ミュージックビデオが流れていたのに、エレベーターの中は静まり返り、ウーンと昇降する機械音しかしなかった。
雄大は出来るだけ成康に離れ、エレベーターの隅の壁に張り付いていた。
「………」
ちらりと見ると鼻筋の通ったハッキリとした成康の横顔が、上がっていく階の表示を見ていた。
(早く着かないかな…)
遅れた事を謝ったり、言い訳したりしなきゃいけないはずなのに、汗の事や着てきた変な英字の入ったTシャツの事を思うとぎゅっと自分の事を見ないようにと小さくなるしかなかった。
「そうだ。西川さん達が連れてきた子たち、可愛かったよ。」
「えっ…?」
顔を上げるとニコリと笑った成康と目が合った。
(なんで…マジで……可愛い???そういえば学内でも特別可愛い子を連れてくっていってたからな…どうしよう…若いし、可愛いし、きっと服もこんな変なロゴのじゃなくて、花柄とかピンク色とかで、いい匂いがする子たちなんだろうな。。ミニスカートかな?みんな薄着になってるもんな。そりゃー男なら生足とか出されたら、堪らないよな。。そうだよな。。成康さんも男だし、僕も男だし…気持ちはわかるけど…そうだよなーー)
「くっ!」
急に成康は吹き出して、顔を背けた。
グルグルと色んなモノが駆け巡っていた雄大は、ポカンとその姿を見つめていた。
「本当に可愛いな。」
成康が雄大に近付いた。
「わっ、わっ!駄目です!僕、汗臭いし!」
「本当?」
成康は雄大に重ねるように身体を詰め、雄大の首元に顔を寄せた。
「なり…んっ。。」
雄大は恥ずかしさで顔が赤くなるのがわかった。
チーーン
「あっ、ゆーちゃん。」
自動ドアが開くと目の前にピンクのチュールスカートに白の半袖ブラウスを着た西川が立っていた。
「あっ…はっ…」
雄大が虚取っていると、成康も自動ドアの方に顔を向けたまま、身体を起こした。
「ゆーちゃん、よかった。来れたのね。」
「う、うん…」
だらだらと更に汗が出そうになった。
(なんか言われるかな…)
「加藤さんがいないからつまんなかったですよ☆」
予想に反し、西川がピョンと成康の手に飛びついた。
(!!?)
「さぁ、行きましょう☆」
西川は成康を引きずるようにエレベーターから下ろした。
「あ、うん。」
成康もされるがまま、手を引かれて歩き出した。
「ゆーちゃんも早くぅ!」
その初めて聞く西川の甘ったるい声に雄大はぽかんとして、1度エレベーターのドアが閉まる始末だった。
(誰だ!あの西川ちゃんそっくりな子は??)
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