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直感+決断の時にしおりをはさみました!
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直感+決断の時
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玄関のライトが光り、WZ会社は暗闇に浮かんでいるようだった。
「……」
会社はぽつりぽつりと3つくらいの窓に明かりが灯っていた。
(どうしよう…)
腕時計はもうすぐ19時を指していた。
(休日の会社には受付の人もいないだろうし、こんな時間に来てたら、不審者だし。)
雄大はうろうろして、取り敢えず植木の鉢に座り込んだ。
ふと一つの窓の明かりが消えた。
(明かりが消えれば出てくる。)
”想っていれば…”
強く拳を握り、胸に抱えた。
10分ほどで人が1人でて来た。
雄大はぱあっと顔を上げたが、屋外ライトに照らされたその人は40代くらいの全くの別人で、急いで植木に隠れた。
30分するとまた一つの窓の明かりが消えた。
その人は背が低く、遠目からでも成康では無かった。
雄大はずるっと鼻水をすすった。
手がかじかんで、はぁっーーと息を吐いた。
(20時…)
「今からイルミネーション見に行かない?」
立ち止まったのか、すぐそこから2つの声がした。
「いいよ。どこの?」
「モールのイルミネーション!あそこの木のイルミネーションにお願い事したら叶うって噂なの!」
「じゃあ2人の永遠をお願いしようかな?」
「やだあっ!じゃあ、私も!」
「ハッハハハハ」
2人の声が離れていく。
「………」
雄大はばっと立ち上がった。
最後の窓の明かりが消えたが、雄大はもう待たなかった。
(こんなとこにいるはず無いじゃん!!)
雄大は携帯を上着に押し込み、冷えた足を呼び起こすうに思いっきり踏み込んだ。
「ハァッハァッハァッハァッ…アアッ」
気管がカラカラに乾いて苦しい。
飲む唾もなくて、それが倍の苦しさとなる。
(でも走らなきゃ!)
苦しくて、心臓が張り裂けそうだ。
それでも不思議と足は進んだ。
(車のライトが、公園の街灯が、足元を照らしてくれる。)
「だから大丈夫!」
雄大は自分に言い聞かせ、前を向いて走った。
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