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3にしおりをはさみました!
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Ω種として生まれた僕―――白河 幸は、小さい頃から度々女の子の格好をさせられていた。
幼い頃から、Ωだと分かっていたわけではないのだが、「可愛いから。」「似合うから。」という理由で、
良く母や幼稚園の先生方に弄くり回されていたのを覚えている。
ただ確かに、覚えが他人より極端に悪かった。
特に運動が。
筋肉が付きにくい体質らしい僕を、両親は色んなスポーツで筋肉を付けさせようとしたが、
筋肉云々ではなく、冗談抜きでどれもできなかった(らしい)。
また、両親が頑張って食事などで筋肉を付けたりさせようとしたが、全くもって贅肉さえも付かなかった。
女性の格好をするのに、他人より耐性があり、
Ωだと分かった今、自分を守るの術が無かった僕を、両親は女性と偽り、僕を守ることにしたのだ。
僕は、ため息を吐き出し、ベッドから降りて洗面所へ向かった。
現在は高校1年で、親から離れ独り暮らしをしている。
両親は相当心配していたが、何とか僕は上手くやっている。
顔を洗い、顔についた水滴をタオルで拭き取った所で鏡の中の自分と目があった。
女顔で、白い長めの髪の毛。どう考えても女性にしか見えない僕。
この顔を見ると思い出すのは、今朝の夢の中でも見た父の険しい表情と、母の悲しそうな顔。
「僕が、Ωじゃなかったら…」
鏡の中の僕は複雑な顔をしていた。
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