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18歳以上ですか?
19にしおりをはさみました!
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19
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今の状況は非常に不味いと思う。
そっと頬に添えられている一応恩人である先輩の手を、振り払えるほど、僕の神経は図太くない。
恥ずかしいのと恐怖が相まって、無意識に体がぷるぷる震えて、顔が熱くなる。
「ふっ……顔真っ赤。」
「…っ~~~」
そんな近くで笑うなイケメン。
目を逸らしたくてしょうがないのに、何故か逸らせない。
せめてもの反抗として、先輩を睨んでやった。
「ごめんごめん。」
意外とあっさり離れて行った手に驚いて、自分から一谷先輩に目を合わせてしまった。
「君…名前、何て言うの?」
「…………え?」
朝聞こうと思ったんだけど、聞きそびれちゃった。と、爽やかに微笑む顔は、本当に狡いと思う。
ただ、秘密が勘づかれたわけではないことがわかって、肩の力が抜けたのがわかった。
「…………白河、幸と言います。」
「幸ちゃんか……」
「先輩は、一谷先輩ですよね…?」
「あぁ。知ってたんだ。」
「し、知ってますよ!だって先輩こんなにイケメ…」
ん……?僕今、何て言おうとした?
とっさに自分の言おうとしたことに気づいて、フリーズ。
恐る恐る一谷先輩を見てみると、にっこにこの笑顔で、僕を見下ろしていた。
……絶対にこの人僕が言おうとしたことわかってる!!
僕は恥ずかしさのあまり、熱い顔を手で覆ったのだった。
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