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18歳以上ですか?
27にしおりをはさみました!
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27
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恐くてぎゅっと目を閉じたが、全く何もされない。
恐る恐る目を開けると、僕の顔を掴んだ男の人の殴ろうとして振り上げた拳を、神田?という人が掴んでいた。
「ちょっとちょっと。そんなこと後で好きなだけ出来るんですから~」
「ねぇ~先輩♪」とご機嫌に言いながら、さっきと変わらない、胡散臭い笑顔を浮かべていた。
「っ…!!」
「じゃあ、縛っちゃいますね~」
いかつい男の人の手をパッと離して、僕の肩を再びしっかりと掴んで、倉庫のあやちゃんが居るところに、僕を座らせた。
「幸………」
凄く小さくて、やっぱり震えた声で僕をあやちゃんが呼んだ。
僕は口パクで、「ごめんね」と言うのが精一杯だった。
「にしても、すげぇ収穫だな」
「あの剣道暴力女、これで絶対来るぜ」
「どうしてやろうか」
卑下た笑い声と共に聞こえてくる声。
話している内容から、僕にだってわかる。
狙いは、あやちゃんでも僕でもなくみなみだ。
確かに、3日くらい前にみなみがカツアゲをしていたこの学校の男子生徒を、ぼこぼこにしたとは聞いていた。
たぶんそれなんだけど……
「まぁ、とりあえず呼び出すのに使うダシができたな」
「もうすでに探してるかも知れねぇよ?」
僕は悔しくて、唇を噛み締めた。
どうして黒田先生の言うことを聞いて保健室に居なかったのか。
みなみだって、帰るように言っていたのに……
今更後悔してももう遅い。
でも、僕の中には後悔しかなかった。
ふと、トントンと肩を叩かれた。
パッと顔を上げると、胡散臭い笑顔を引っ込めて真剣な目をしている神田?と言う人が、僕たち2人にスマホをかざしていた。
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