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6.気になりだしたら止まらない-13にしおりをはさみました!
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6.気になりだしたら止まらない-13
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そして、ユキジは気付く。
壱成の身体が緊張して冷たくなっている事に。
「そしたら、もう頭の中お前の事ばかりで……好きだと気付いた。守りたいって生まれて初めてそう思った……」
そんな感情は秋幸の時には無かったのにと、そう壱成は言う。
「あと、その綺麗な目を見て尚更そう思ったかな」
「え……?」
「お前はその目を俺に見られて動揺して拒絶して来たが、俺はそのお前の態度を見て確信を得たんだ。ああ、こいつは誰かに守られた事はないんだって。一人で頑張って生きてきたんだって」
「っ……」
「だから、こんなにも自分を隠そうとするんだって……そう思った」
壱成のその言葉は、ユキジの辛い過去を言い当てていた。さすがグループのリーダーで、人望がある男だ。
ユキジの事もよく見てくれていた。
それが嬉しくて、ユキジは涙を流した。
「そんなお前を、俺が守りたいって思ったんだ……」
「ぅ……」
「俺にそんな気持ちがあるなんて思った事も無かったけどな。俺って淡白だし、秋幸以外どうでも良いって思ってた男だったし……。でも、だからこそ、すぐに気付けたよ。お前が大事だって」
そう言って、壱成はユキジの目元に優しくキスをしてくれた。そして、チュッとその涙を吸ってくれる。
「こんな風に俺に想われる人間、お前以外にいないぞ」
「う…ん……」
「だから、お前も俺だけを見ろよ。その分、愛してやるから」
その顔は笑っていた。今まで見た事がない笑顔だった。そんな壱成の笑顔と甘い言葉に、ユキジも自然と笑みが零れる。
こんな風に、心が満たされたのは生まれて初めてだ。
今まで抱いてきた不安だった気持ちがスーッと消えて行く。不思議な感覚だ。
「ありがとう……壱成……」
ユキジは壱成の胸に顔を寄せた。そして、何度も何度も、壱成に礼を述べ、照れ臭そうに、僕も好きだと告げたのだった。
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