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18歳以上ですか?
。にしおりをはさみました!
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「…悠はさ、俺といるの嫌だろ?」
当たり前じゃないか。
俺に嫌がらせばかりしてくる最低なヤツと一緒にいて楽しいわけがない。
「……」
そんなこと言えない悠は只俯いて何も言わなかった。
「なにそれ、無言の肯定?ま、知ってたけどさ。」
「……忍も、嫌だろ」
「は?俺?………うん、嫌だよ。」
「……じゃあ、なんで俺に構ってくるの」
「俺が俺の玩具で遊ぶのに理由なんているの??」
なんて支離滅裂な言い草なんだろうと悠は顔を曇らせる。
こんな気持ちの悪い男とやっぱり2週間近くも耐えられない。
コツコツ貯めてきた貯金もある程度の額が貯まりつつある。
この家にはたくさん世話になっているし、恩返しもしたい、それに若宮夫妻はとても良くしてくれて本当の親のように悠自身思っている。
この男。若宮忍がいる限り俺に自由はない。
この男といると息が詰まりそうで苦しい。
いつまた俺で遊び始めるのかと怯えながら送る生活なんてもう懲り懲りだった。
「…」
逃げ出したい。
どこか遠く、若宮忍に見つからず、また思い出すこともなくなるくらい遠く遠くへ逃げ出したい。
「ねぇ、悠。」
「…何」
「俺から逃げられると思わないでね」
「………っ、」
「ふふ、なんてね。冗談だよ。第一、悠に行くところなんて無いんだから」
「…わ、かってるよ、」
悠は忍が今どんな顔で喋っているのかを知りたくなくて膝を立てて顔を埋めた。
「さーてと、じゃ、そろそろ部活だし、行かないと」
立ち上がり扉に向かう忍の気配を感じながら悠はただ息を殺すように蹲っていた。
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