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嫌い。
嫌い。嫌い。大嫌い。
俺の部屋で同じ様にベッドに腰掛け雑誌に目を通している男を横目で睨みながら思う。
この男の独占欲に振り回されて弄ばれる生活にはうんざりしてる。
俺はモノなんかじゃない。
ユキに着いていけたらどれだけいいだろう。
勿論、彼に迷惑はかけられないからそんな事は出来はしないのだけれど。
そう、ユキに迷惑はかけられない。
だから耐え抜くんだ。
せめてユキがいるこの期間は何が何でも平和にやり過ごすんだ。
「お昼ご飯何作るの?」
不意に声を掛けられ反応が遅れてしまう
「……………炒飯、の予定」
「ふ〜ん…それって雪也の好物だから?」
「……あぁ、」
そう言えば、この男の好物を知らない気がする。
まぁ、そんな知らなくてもいいこと気にする必要ないか。
悠はベッドを降り扉へ向かった。
「どこいくの?」
「………ユキのとこ」
扉に手をかけ開けようとした刹那、悠は強い力で後ろへ投げ飛ばされた。
「…ッた」
思い切り打ち付けた背中を摩りながら状態を起こすと、そこには悠を見下ろす忍の姿があった。
「…何するんだよ」
「ダメだよ、悠。お前はこの部屋にいるんだ」
優しい声色とは逆にその目は冷たくどこまでも悠を見下しているようだった。
「…なんでそんなこと、お前に決められないといけない」
俺はモノじゃないのに。
「なんでって、そりゃあ悠は俺の玩具なんだから。いうこと聞くのは当たり前でしょ?」
さも当然のように言う忍に悠は苛立ちを隠しきれなかった。
「…ふざけるな、俺は俺の物だ。誰がいつお前の玩具になったんだよッ、…、俺は」
「悠は俺のだよ」
忍は悠の上に跨り、まるで壊れ物に触れるかのように優しく頬を撫でた。
「だから悠は俺を見てないとダメなんだよ。」
この男は何を言っているんだ。
悠は目の前で自分のことを見ろと言う忍に苛立ちよりも気持ち悪さを感じていた。
「…忍、」
「なぁに?悠」
悠が呼ぶと嬉しそうに首を傾げる忍。
「………ユキのとこ、行きたい、どいて」
「まだそんな事言ってるの?行かせないってば。それに、ここに来る前に俺の部屋を覗いたら雪也眠ってたから、今行っても邪魔になるだけだよ」
忍の言葉に悠は黙って俯いた。
「…………………また俯いてる」
「…え?」
ボソッと呟くように言われた言葉を悠は聞き取れず、思わず聞き返してしまった。
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