アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
番外編2にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
番外編2
-
ー15年前ー
「ねぇ、かぁみ。せんね、 かくれんぼ するの。かぁみも、やろ?」
まだ、2歳になられたばかりの千之助様が遊びに誘ってきた。
「かくれんぼですか?」
「うん! せんね、まてまて~
(鬼ごっこ)もすきなの」
と無邪気に笑う。
「ねぇ、はやく!はやく~」
俺のズボンを引っ張って催促する千之助様
困りましたね。今から少し、やることがあるのですが…
俺が、どうしようか迷っていると、奥様が近付いて来られた。
「だめよ、千之助。鏡は今、お仕事をしてるから忙しいの。遊ぶのは、また今度ね」
そう言って千之助様の頭を撫でる。
「かぁみ、おしごと、たいへんなの?」
千之助様はそう言うと、
「ママ、あのね、せんね、ママとあそぶ」
と奥様に抱きついて《だっこして》と甘える。
「ほんと、甘えん坊ね、千之助は…」
そんな千之助を抱き上げると、奥様は私に微笑み、部屋へと、帰っていった。
二人の兄達は、初等科にいっておられるから、ほとんどの時間を千之助は奥様と過ごされていた。
確かに甘えん坊だな。まぁ兄弟とも年が離れているし…ずっと奥様といるんだから、仕方がないのかもしれない。
そんな日常が続くと思っていたのに…
それは突然だった。
奥様が乗った車が事故に巻き込まれ、呆気なく還らぬ人となってしまったのだ。
まだ、幼い千之助に母が居ない事実を教えるにはどうしたらいい?
そして、あんなに奥様に甘えていた千之助だ。
居ないとわかった時、どうなってしまうのだろう。心配が広がる…
しかし、奥様を大切にしていた、旦那様の消沈ぶりは激しく、とても子ども達にまで、気を配れる状態ではなかった。
私達は、旦那様を支えることに必死で、幼い千之助様に我慢を強いてしまったのかもしれない…
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
55 / 107