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クリスマス29にしおりをはさみました!
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クリスマス29
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【side孝哉】
淳に言われ、千を連れ出した。
「千、これ飲めよ。」
差し出したのは、色の綺麗な飲み物。
「ありがとう」
千はなんの迷いもなく、それを飲み始めた。そう、アルコール度数は高くはないが、れっきとした酒だ。
「これ、美味しいね」
ニコニコしながら呑み進めて行く千の顔が次第に、赤くなってきた。
「なんか暑い」
パタパタ手で、顔を扇ぐ。
そろそろかな…
「なぁ千、初めて温和とキスしたのは、いつ?」
温和がいたら聞けないし、素面だと教えてくれなそうだから、ちょっと盛ってみたんだか…
「んっとね~好きって言った時」
「えっ、好きって…告白した時?」
「そうだよ。温和からしてくれたの」
驚きだ。そんなに早く手を出したとは…
「温和とHしてるんだろ?どう、上手い?」
「うん。温和、とっても上手でね~俺の気持ちいいとこ、ぜーんぶ、知ってるんだって~」
へらへら笑う千。完全に酔ってるな…
「へぇ、あいつテクニシャンなんだ」
「そう、テクニシャンなの。俺ね~
もう、温和じゃないと~イケなくて~そしたら温和が~ずっと一緒にいてくれるって~」
そして俺の前に手の平を向け
「みてみて~これ、温和とお揃いなの~
昨日ね~プレゼントしてくれたの~
俺ね~超ー嬉しくて~それでね~温和にキスマークつけたんだ~
俺のってしるし~」
キャッキャッと喜んでいる千之助。
「へぇ、よかったな~それで、温和はどうやってお前を悦ばせるの?」
俺が聞きたかったのはこれ!
「んとね~」
千が話出した時に扉が開いた。音のする方を見ると、怖い顔をした温和が立っている。
「な、なんだ。もう話は終わったのか?」
温和が近付いて、千を見た。明らかに様子のおかしい千に、温和の眉間に皺が寄る。
「お前…何した?」
イヤ~ !!おっかね~よ
ビビる俺を余所に、ご機嫌な千が話し出す
「孝哉はね~俺にジュースくれたの~甘くて美味しいんだよ~温和も飲む~?」
差し出されたグラスの臭いを嗅ぎ
「酒だな」
と俺を睨む。そうです。その通りです…
「ふぇ?」
不思議そうにしている千の肩を抱き、部屋を出て行く温和。
よかった~何もされなかった~
安堵していると、部屋を出る直前
「後で覚えてろよ」
と静な声がした。
ヒェ~
ドスの効いた声よりよっぽど怖い…
俺はただ、扉が閉まるのを見つめ、立ち尽くした。
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