アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
-
このおかしな世界に来て何日目だろう
不思議な事もいろいろあった
とは言っても、普段から不思議過ぎるんだけどね
「空!ぼーっとしない」
「ごめん」
俺は今、凱に違う魔法を教えてもらっている
でも、なかなかうまく行かない
「あのさ、凱」
「ん?」
「魔法が使えるのならこの世界の人間はみんな幸せなの?」
「どうかな」
少しだけ顔色が曇ったようにも見えた
「確かに戦争とかあって大変かも知れないけど、魔法が使えるのならお腹も空かないしお金も必要ないんじゃないかなって」
「あ~、お前にまだ話していなかったな」
「ん?」
「魔法が使えても、むやみに使うと死罪にもなる時もあるんだ」
「えっ!!どういう事?」
「魔法にはいろいろな種類があると話しただろ?」
「うん」
「俺は音楽魔法以外、他の魔法が使えても使ってはいけないんだ」
「ん?」
「要するに、ん~~~~」
頭を抱えてる?
そんなに難しい事なのかな?
「また蜘蛛でも出したの?」
「楓」
「違うよ、魔法の使い方と言うか・・・この世界の仕組みと言うかさ」
「うん」
「話を聞いただけでつまらない顔するな!」
「この世界の仕組みって考えるだけで面倒」
「お前なぁ、協力しろよ~」
全く興味が無さそうだけど話は聞いてくれた
「じゃさ、例えば料理とか魔法で出るでしょ?」
「ああ」
「と言う事は凱も料理が出せるんでしょ?」
「出せるけどそれが罪になるんだよ」
「へ?」
「料理は料理魔法使いが料理を出す」
「うん」
「片付けも入るかな」
「うんうん」
「掃除はまた別だ」
「別?」
「掃除は主に星の掃除番がやる」
「あ~、その時点でもう混乱する・・・星の掃除って」
「要するにだな・・・空は動物使いだから戦闘魔法は使えても使ってはいけない」
「ん~」
「シールドは別だ、それは全ての魔法使いが使ってもいい魔法だ」
「ぬ~、難しい」
「だから楓は音楽魔法が使えても使ったら罪になる」
「ふぇ」
「魔法使いは何でも出来るが使い道は制限される」
「じゃ、お金とか食べ物を出す事はいけない事なの?」
「だな、錬金術師が食べ物を出したら罪になる」
「じゃ、お金ならいいの?」
「だーめ!」
「と言う事は他の人達は仕事をして生活を?」
「そう言う事だ」
「でも魔法は使えるんでしょ?」
「だからその魔法が使える仕事についているんだよ」
「魔法って自分で決められるの?」
「いや・・・家系とかかな」
「じゃ、生まれた時から決まってるんだ」
「そう言う事」
「楓」
退屈そうな楓の腕を掴んで言った
「町を見たい」
「う~ん」
珍しく楓も頭を抱えだした
「そんなに嫌?」
「嫌と言うか・・・驚かないで聞いてね」
「うん」
「この国は貧富の差が激しいんだ・・・魔法使いでも格差があるからね」
「そうなの?」
「城の外で俺達が城内の人間だと知れたら殺されるかも知れない」
「どうして?」
「それほど俺達を憎んでいるからだろうね、全ては何もしない王子のせいって言う事」
「奏は何もしないの?」
「初めて奏を見た時どう思った?」
「最低」
「だよね・・・毎日部屋に閉じこもって酒と遊びに興じていた・・・だから空がここに来てから漸く奏も動き出したって感じなんだ」
「そうなんだ」
「空の世界は違うの?」
「平和だよ、確かに俺の世界の奏もサボり魔だけど楓がしっかりしてたし凱もいた・・・それに俺、町のみんなと友達だから」
「信じられない」
「何かをしてあげるとかそういう考えじゃなくてね、ただ何かやりたいだけ・・・それで笑顔になるのなら俺は幸せ」
「この世界にも空と同じような人間が居たらよかったね」
「・・・・・・・・」
その世界はこの世界でいろいろと問題がありそうだな
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
41 / 55