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魔法世界では
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「空~!この怪鳥を何とかしてくれ!!」
確かに空にたくさん鳥がいる
大きなカラスみたいな鳥だし凱が襲われてる
「わかった!」
「いででっ!早く~」
「うん」
スタッフを持ち、神経を集中させた
あっ、蜘蛛だ・・・足元に変わった形の蜘蛛がいた
「消えろ!」
「ぎゃー!!蜘蛛っ!!空っ!!!」
「あはっ、ごめん」
「お前なぁ~」
大きなカラスが蜘蛛になって落ちて来た
凱はかなり怒ってる
「ごめんね?」
「俺は蜘蛛が大嫌いなんだ!」
「怒らないでよ~」
「ったく!」
「と言うか、凱の魔法で何とか出来たんじゃない?」
「動物類は動かせない」
「そうなんだ」
「お前にはまだまだ特訓が必要だな」
「えっ・・・」
今日も特訓
今日は楓と遊びたかったのに
「えいっ!」
「ぎゃー!!空~!!」
今度は気持ち悪い蜘蛛が落ちて来た
凱は更に怒ってるし
今のうちに逃げよう
「おっと、空危ないよ」
楓に抱きしめられてしまった
楓はいつも自然に俺を抱きしめるような感じに思える
「楓、今は逃げよう」
「えっ?」
「楓!空を捕まえろ!!」
「えっと・・・」
まずい
「えいっ!」
「うっ・・・」
ごめんね楓
とかげなんか出して
でも何となく逃げた方がよさそうだし
「こら!」
「奏」
「何をしている」
「魔法の勉強?」
「成程、ではなぜ逃げる」
「それは・・・なんか変なものしか出なくて」
「凱に怒られたのか」
「今から怒られるかも・・・楓にも」
「死ぬな」
「やーん」
「来い」
「うん」
奏の手を取った瞬間、どこかに移動した
ここはどこだろう
「綺麗な部屋・・・天井に星がたくさん」
「この部屋の星も本物の星だよ」
「えっ?すごい!」
「それで、何をやったんだ?」
「あはは・・・んとね~」
奏に話したら珍しく笑顔を見せてくれた
「成程な」
「だから見つかったらまず楓に殺されそう」
「かもな」
「ひっ!」
「でも、俺の傍に居れば大丈夫だろ?」
「そうだけど、やっぱり謝らないと」
「夜にでも謝ればいいさ」
「うん」
夜ってあと何時間後?
この世界の時間はいまだに理解出来ない
だって空が暗くならないし
「空」
「ん?」
「少し疲れた・・・膝を」
「うん」
奏は俺の膝に頭を乗せて目を閉じた
こうしてみるとやはり同じ顔
目を閉じると余計にそう感じる
違うのは瞳の色と髪の色だけ
「空・・・」
そっと握られた手を振り解くほど冷たくは無いけど・・・握り返したりはしない
「どうしたの?」
「ずっと俺の傍に・・・いや」
「奏・・・もし俺が元の世界に戻れないとしても、奏を愛する事は出来ないかも知れない・・・ごめんね」
「・・・・・・・・・・・・」
「それでも体を求めるのなら俺は拒否しないしする権利もない・・・だけど心まではあげられない」
「心のない人形を抱く趣味は無い」
「そう言うと思った」
「でも・・・・・」
「ん?」
「もう少しだけでいいからこうしていてくれ」
「うん」
もし戻れなかったら・・・
考えたくないけどありえない事では無い
でも逆に突然俺が消えたらきっとみんな悲しむんだろうな
「奏も歌が上手?」
「歌?」
「うん、この世界に音楽はあっても歌は無いのかな」
「歌はある」
「歌って欲しいな」
「お前が望むなら」
「ありがとう」
奏は横になったまま歌ってくれた
この世界の奏も歌が上手だった
すごく切なくなって涙がこぼれ落ちそうになるのを必死に我慢した
天井の星が滲んでぼやけてる
今下を向いたらきっと涙がこぼれ落ちてしまうね
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