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ここはどこだろうにしおりをはさみました!
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ここはどこだろう
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月が動いたまでは覚えている
でもその後の事は覚えていない
眩しい光に襲われて気絶したみたいだ
目を覚ましたら変な男達がいて・・・・・
「とんかつ!」
うっかりしていた
どこに行ったんだろう
慌てて部屋を出ようとした時ノックが聞こえた
そのままドアを開けると、さっきの人が廊下に立っていた
「はい、君の友達」
「とんかつっ!」
こいつは確か楓様と呼ばれていた
「あんたは偉い人?」
「違うよ」
「そうなんだ」
「その子もとんかつって言うんだね」
「は?」
「ここにも同じ名前の子がいてね・・・空が可愛がっていたんだ」
「使い魔?」
「違うかな」
「あそ、じゃ俺寝るから」
「うん、おやすみ」
よかった
殺されてはいなかった
「大丈夫だったか?」
(ブヒブヒ)
「えっ?」
嘘
言葉がわからない
それにおかしな形をしているし
でも間違いない
俺が作ったネックレスをつけているし
「どうした?話せないのか?」
(ブヒブヒー)
嘘だろ・・・・こいつがいれば寂しくないと思っていたのに
言葉を失ったとんかつを見つめ、急に孤独感に襲われた
俺、これからどうすればいいんだよ
ここはどこなんだ?
俺はどこに迷い込んでしまったんだろう
大きな窓の外には大きな月
でも、その月は一つしかない
空も真っ黒だし羽妖精も飛んでいない
「怖い・・・・」
真っ暗な空と真っ暗な海を見ていたら急に怖くなって来た
これからの生活はどうすればいい?
俺は明日どうなるんだろう
もしかして殺されてしまうかも知れない
今までは死にたいと思っていたけど、知らない場所で死ぬのは嫌だ
「怖いよ・・・・・」
とんかつを抱きしめて、目を閉じた
しばらく震えているとどこからか歌が聞こえて来て、閉じていた瞼をゆっくり開けた
「・・・・・・綺麗な声」
音楽魔法ではない
誰かが歌ってる?
急いで窓を開けて歌声に耳を澄ませた
「あれ・・・・?どうして涙が」
その歌声は胸を締め付けられるような切ないメロディー
不安で一杯だった俺の心を支えていた最後の糸が切れてしまったみたいだ
誰が歌っているんだろう
その歌は誰の為に捧げているんだろう
「・・・・・・・・・・・・・・・」
やはり強がっていたみたい
廊下に立ち、悲しい泣き声をただ聞いていた
きっと不安で仕方がないんだろう
誰一人知り合いのいない世界は孤独な世界
空も同じなのだろうか
見知らぬ場所でたった一人で泣いているのだろうか
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